座って殺風景な壁を見つめる動物はスーパーマンには思えないかもしれませんが、猫には実際すごい能力があるんですよ!少なくとも、猫と比べると人間は不器用で脆弱です。たとえば、なぜ猫はいつも足から着地できるかご存知ですか?探っていきましょう!
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タイムスタンプ:
すごい柔軟性 0:20
驚異の機敏性 1:34
鋭い感覚 2:38
けた外れの隠れる力 4:33
いつも足で着地する 5:23
模倣の天才 6:45
9つの命 8:08
概要:
- ふわふわした猫は、体を縮めて入りたいところに、どこにでも入ることができます。猫は液体だという人もいます!冗談はそれぐらいにして、猫のすごい柔軟性は、腕が骨によって胴につながっていないことに由来します。そのため人間のように鎖骨がなく、狭いスペースに入ることができるのです。
- 素手で猫を捕まえようとしたことはありますか?猫があなたに捕まりたくないと思った時、、まぁ、たいていがそうなのですが…、あなたのから逃れるための“強大な力”を持っているんです。
- 猫は心臓の鼓動を聞くことができ、その場所で起こっていることを瞬時に察知でき、真っ暗闇の中でも周りを見ることができ、匂いがすべてであるという次元の、違う世界に生きています。
- 猫の鋭い感覚からは、何も逃れることはできません。ですが、猫自身は視界から消えることができるんです!ソファーの上であなたと一緒にごろごろしていた猫が、次の瞬間には、キッチンでキャットフードを食べていた、なんて経験はありませんか?
- 猫の体の前側と後ろ側は、空中でそれぞれ別個に動くんです。まず、猫は前足をねじって下に向け、このように固定し、そして体の後ろ側も引いて回します。他の方法でやることは、完全に不可能で、猫はこれをすることができる、ごくごく少ない動物なんです。
- 猫が耳を頭の方に折ってシャーッと音を立てると、ヘビの鳴き声に似ているためどんな動物でも怖がります。ヘビを怒らせたい動物なんていませんよね!
- もちろん、これは伝説で、猫の命は、他の動物と同じく1つだけ。ですが治癒がとても速く、サバイバル能力も比類がありません。
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猫は4000年も昔から人間と共に生きてきました。ですが彼らはとてもミステリアスな生き物で、私たちは今も、猫のすべてを知っているわけではありません。猫が100種類もの鳴き声を出せるってご存知でしたか?甘さを感じられないということは?口の周りやまぶたにそばかすのあるチャトラ猫がいるということはどうでしょう?他にも猫に関して、あなたの知らないことがたくさんあるんですよ!
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タイムスタンプ:
人間になつかない猫とは 0:34
猫の鳴き声は何種類? 1:11
あなたの猫は人間なら何歳? 1:38
猫も汗をかくんです 2:14
猫の嗅覚 2:47
猫が甘いものを好まない理由 3:23
猫におへそはある? 3:58
繁栄と幸せをもたらす猫とは 4:36
猫は音楽が好き? 5:10
猫の市長 5:57
世界一子だくさんのお母さん猫 6:30
そばかすのある猫 7:26
世界初の宇宙猫 7:57
猫の駅長 8:38
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触られたいところ、触られたくないところ 9:47
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猫が里親を見つけられる確率 11:32
概要:
- 猫は約4000年前から人に飼いならされていました。それ以前、猫は多くの動物に恐れられる腕のいいハンターでした。
- 子猫のグループは英語でキンドルと呼ばれ、大人の猫のグループはクラウダーと呼ばれます。メスの猫はクイーン、オスの猫はトムと言われます。
- 猫がニャーと鳴くのは人間に対してだけなんです。他の動物に対しては、シャーッと威嚇したり唾を吐いたりしますが、ニャーとは鳴きません。猫同士は鼻と鼻を触れ合わせて挨拶します。
- 猫にもニキビができるんです。通常はあごにブラックヘッドができるのですが、これは猫ニキビと呼ばれます。
- 猫は基本的に砂漠に住む動物として進化したため、暑さには比較的強い性質を持っています。ですが、すごく暑いときや怖がっているときには足に汗をかきます。
- 猫が頻繁に毛づくろいをする理由の一つは、あなたの匂いを消すためです。猫が鼻からしっぽまで全身をあなたにこすりつけるのは、あなたを自分のものとしてマーキングしたいためです。
- 猫は胃が弱いので、食事には細心の注意を払ってあげましょう。玉ねぎやにんにく、グリーントマト、チョコレート、ぶどう、レーズンはあげないでください。
- 猫は、あなたが名前を呼ぶといつもちゃんとわかります。ですが無視するのです。専門家によると、これは歴史的に見て、猫は犬と違い人間の命令を聞く訓練をされてこなかったためだそうです。
- 猫のひげはかわいく見せるためだけにあるのではないんです。多くの神経細胞と血管に覆われているんですよ。
- 猫の目には脈絡層タペタムという特別な反射層があります。この層は入ってきた光を簡単に拡大するため、猫は真っ暗な場所や薄暗い場所で人間の6倍よく見ることができます。
- 猫の心臓の鼓動は人間よりもかなり速く、心拍数は1分間に110~140回にもなります。
- 猫の大脳皮質には3億個ものニューロンがあります。それに比べて、犬には約1億6000個しかありません。
- 子猫が糞に砂をかけるのは生まれながらの本能です。もしあなたの猫がそうしないなら、自分が家族のリーダーだと知らせようとしている証拠です。
- 2007年、タマという三毛猫が和歌山県の貴志駅の駅長となり、乗客を迎えていました。
- 猫は自分の体長の6倍の高さも難なくジャンプすることができます。それは発達した後ろ脚の筋肉のおかげ。それでどんな所にも飛び乗れるのです。
- 生物学的に言うと、猫の脳は人間の脳にある意味近いのです。感情を司る脳の領域はほとんど同じなので、猫もあなたと同じような気持ちの時があるかもしれませんよ。
- 猫の世界にも、左利きと右利きの概念があります。多くの猫は左利きなんですよ。
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私が仕事を終えて事務所から出た頃、空には深い藍色をした夜が、焼けるような夕陽を飲み込もうとする姿があった。その光景はこの世の物とは思えない程壮大で、美しく、悲しさに満ちていた。
それは私にとって掛け替えのない記憶を突然に呼び起こした。私がまだ少年と呼べる歳の頃に想った人の古い記憶だ。彼女へ抱いた感情は恋よりもずっと濃く、愛よりもずっと淡かった。
彼女の柔らかく細い髪が、透き通るグレーの虹彩が、小麦色の滑らかな肌が、特別な力を感じる声が、海馬の奥底から次々に湧きだし、私の全てを満たしていく。
彼女は言った。
『私は確かにあなたの前に存在しているけれど、大半の人にとってはいないも同じ』
『幸せって掴むものじゃなくて気づくものだと思う。そうあって欲しいと私は思う』
『あなたの詩を書いてみたけれど、ひどい出来ね』
『私にはまだ恋愛ってものが分からない。でも、ちゃんとそれなりの幸せは感じてるの』
『いつか、必ず会える。そしたらまた、春風の気持ち良い野原でも作ってリルケの話でもしながら、すみれのサンドウィッチを食べようよ』
目を細め、静かな笑みを見せながら、彼女はいつもそう言うのだ。その顔は私の経験してきた何よりも愛おしかった。
それなのになぜ、忘れてしまったのだろうか。
あれほど大切に思っていた人の事をどうして数十年何も思い出さずにいられたのか。
一体いつから。
その起点を思い出す事はできなかった。まるで夢と現実の境界線のように。
彼女を忘れたこれまでの人生は、本当に自分の人生だったのだろうか。そう考えた時、私の脳裏には、これまで両眼で見てきた光景の数々がフラッシュバックした。
アルバイトをしていた三軒茶屋の小さなレコードショップとその主人。
25の時、共に事務所を立ち上げ、30年以上仕事をしてきた同僚の岡島。
素朴で温かいチャペルでの挙式。真っ白なドレスに身を包んだ妻。
三鷹に買った、小さなセコイア並木の見えるマンション。
自分の腕の中で幸せそうな寝息を吐く娘の、溶けてなくなってしまいそうな頬。
これは誰の人生だ?
私はその場に立ち尽くし、ひどく混乱した。古びた心臓の鼓動は早まり、渇ききった額には汗が滲む。
「──さん。宮本さん」
部下の津島が声をかけてくれるまで、私は瞬きさえすることができなかった。
「大丈夫ですか?その、顔色があまりよくないみたいで」
彼は私の顔を覗き込むように言った。
「あぁ。大丈夫だよ。ただ、すまないんだが笹山くんとの食事はキャンセルさせてくれないかな。少し気分が悪い」
「分かりました。笹山さんには伝えておきます。またいつでも飲めますから」
「申し訳ないね」
「私が言うのも何ですけど、本当に気にしないでください。とにかく、今日は家に帰ってゆっくり休んでください」
「ありがとう」
私がそう言うと、彼は後輩の小林を連れて飲食街の方へ消えていった。
私は自分の立つ場所の辺りを見回した。目に映るのはいずこへともなく歩きすぎていく無数の人々の姿と山脈のように連なり、赤く点滅する高層ビル群の陰だった。それは水晶体が白濁する程見慣れた光景のはずだった。
ここはどこだろうか。
私はいまどこに立っている。
一体、どこへ向かえばいい。
時間が経てば経つほど、思考はかき混ぜられ、気分が悪くなる。そんな中、溢れ出る記憶の中のとある言葉だけが、私を少しばかり安心させた。
『どこにも行き場がなくて、どうしようもなくなったら私の所に来なさい。あなたが望めば必ずここへ来られるから』
それはすみれさんの言葉だった。当時、身の裂けるような思いをしていた私に掛けてくれた何よりも温かい言葉だった。
私は目元を強く押さえて深く息を吸い、足を前へ踏み出した。
繁華街の大通りから一本裏手に入ると、雑居ビルに囲まれた暗い路地がある。そのビルの間の道とは言えない道へ入り込み、眠る浮浪者を跨ぎながら、行けるところまで進んでいく。
雑居ビルの隙間から見える空は、完全な夜へと変わっていたが、未だ太陽は煌々と光っている。
それはあまりに不自然で、奇妙な光景だった。
そしてそれを、私は蘇った記憶の中で目にしていた。
その場所は私がもといた現実の世界ではない。
「君の作った世界だ」
私は禍々しい太陽へ向かって言った。
ここにいる人もビルも、塵も光も、何もかも、君が作った世界だ。
この空は、彼女が初めて作った世界の空だ。今にも霧のように消えて無くなってしまいそうな彼女は、書斎の小さな窓を通してこの空をぼんやりと見ていた。
『この家はあなたの世界にいた頃暮らしていた家なの。この書斎でいつも母が扉の鍵を開けてくれるのを待ってた。母の事も、この家の事も嫌で嫌で仕方なかったのに、結局ここに帰って来る。自分の存在を確かめるにはどうしてもこの場所が必要なの。ほんと皮肉だよね』
それから程なくして、彼女は部屋だけを残して僕の前から跡形もなく消えてしまった。
行きついた果てには、飲食テナントの入ったビルの裏口があった。大きな換気扇からは、賑やかな光と音、古い油の匂いがした。私はその脇にある錆びた扉の前に立ち、煙草の吸殻を踏みながら、すみれさんの事を考えた。
そして、錆びたドアノブを回し、軋む音を立てながらゆっくりと引いた。その手には、どこか懐かしい感覚が流れ、やがて全身へ回っていった。
扉の先には、そこにあるはずの飲食店とは異なる店があった。オーク材をふんだんに使った重厚なテーブルが並び、古い電球が色褪せた光で室内をぼんやりと照らしている。部屋の隅のレコードは回り続け、聞いたこのない女性ボーカルのバンド曲を流している。客席には、顔と声の存在しない者達が座り込み、じっと何かを考え続けている。どこにでもあるのに、どこにもない部屋。いつでもあるのにいつでもない部屋。ここはそう言う場所だった。
「いらっしゃい」
カウンターの中からそう話すのは、すみれさんだった。50年前と何も変わりのない声や姿がそこにはあった。
「すみれさん」
私はドアを閉めながら言った。
「宮本君、随分大人になったのね」
そう言いながら、彼女は髭を撫でるような仕草をした。短く切り揃えられた黒髪、整った容姿に陶器の様な質感の肌はある種、彫刻のような冷たく静かな美しさがあるけれど、その中はユーモアと茶目っ気のある温かさが満ちている。
「おひさしぶりです。すみれさんは変わりないようで。いつの間にか、歳越えちゃいましたね」
私は笑いながらそう言い、同時にひどく悲しくなった。自分だけが年老いた事実が言葉にした後に重くのしかかったのだ。
「何も変わらないわ。良くも悪くもね。ねぇ、あなた今までどこにいたの?」
「分かりません。彼女が作った世界のどこか、だと思います。そのことに気づいたのはたった今ですけれど。気づくのが遅すぎました。僕はあの世界で、彼女の事なんか何も思い出さず、他人のような人生を何十年も生きてきました。こんな可笑しな話がありますか。一番浮ばれないのは私の死んだ妻と娘ですよ」
私は悔しさと苛立ちを含んだ口調でそう言った。
「分かっていると思うけれど、あの子の作る世界に時間の概念は存在していない。その姿だってあなたが無意識に作り出してるイメージよ」
「そんなことは分かってますよ。それでも、僕には50年以上過ごした感覚がどうしようもない程この身体に染み付いているんです。とてもじゃないが、以前の僕になんて戻れません」
僕がそう言うと、彼女は小さなポットに火をかけた。
「記憶を消したければ消せばいい。その感覚だって消えるだろうし、その姿だって勿論元に戻れると思う。でもそれであなたは、あの子は納得できるの?」
「僕は──」
するとすみれさんは手を前に出した。
「まずは席に掛けて。焦らずゆっくり話しましょう。時間はあるもの」
そう言うと、彼女は笑みを見せた。その姿に、僕はすっかり興奮をそぎ落とされてしまい、深いため息を吐きながら革張りのカウンターチェアに浅く腰かけた。
「何か食べる?」
彼女は食器の整理をしながら言った。
僕の脳裏に浮かんだものは、タマゴハムサンドだった。あの頃、この店に来るたびに食べていたメニューだ。
「タマゴハムサンド」
「たまごは?」
「たっぷりで」
するとすみれさんは嬉しそうな笑みを見せた。
「ちょっと待っててね」
彼女は木皿の上に盛られたゆで卵の一つを取り、細かくカットしてビーカーに入れた。そしてマヨネーズと他いくつかの調味料を混ぜてタマゴサラダを作り、大きな鉄のフライパンでハム2枚をさっと焼いて焦げ目のついたパンにそれらをまとめて挟んだ。
僕はその一連の無駄のない流れをぼんやりと見ながら、ふと呟いた。
「彼女が戻って来たんだと思います」
すると彼女はテーブルにタマゴハムサンドと珈琲の入ったマグを置いた。
「熱い内に」
僕は言われるがままに一口噛り付いた。卵の優しい味に、マスタードの酸味と砂糖の甘味、ハムの塩味が不思議なくらいよく合う。すみれさんの味だった。
「美味しいです。すごく」
「そう言う言葉を貰えるとやっぱり作り甲斐があるわね」
彼女はカウンターに両肘をつきながら言った。
それから僕は淹れたての珈琲を喉に通した。一口飲むだけで、随分と気分が落ち着き、平静を取り戻した。
そんな僕を見ながら、すみれさんは一つ一つの言葉を紡ぐように話した。
「あの子については、私もまだ何も知らない。どういう形になって、どこに存在しているのか。手掛かり一つ見つけられていない。でも、あの世界が残っている限り、彼女は必ず生きている。そしてあなたを呼んでいる。他の誰でもなく、あなたを。だから探してあげて」
「はい」
僕は彼女のサンドウィッチを平らげ、珈琲を飲み干すと、彼女から当時使っていた鞄を受取った。中には瑞々しいリンゴにノートと鉛筆、そしてリルケの詩集が入っていた。
「ほんと、何も変わりませんねここは」
僕は鞄を背負い、再びドアの前に立った。そこにはもう、少年だった僕でも、老人だった私もいなかった。
「すみれさん、また会えますか?」
僕がそう言うと、彼女は笑みを見せた。
「あなたがそれを望むなら」
BGM:J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 第24番 ロ短調 BWV869(J.S.Bach:The Well Tempered Clavier No.1 in B minor, BWV869)