#神父的鹽
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Delta來敲門了.
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如果第一線的縣市首長,還只懂得尖叫的話,那麼應該趕快下台比較好,讓有能者擔任地方指揮官的任務.
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什麼叫「尖叫」呢?那就是專提一些與現實防疫無關的見解,甚至是違反防疫原則的,並造成民眾混淆,而提出這些沒有營養的廢話的目的,只是傳達了該首長本身的軟弱和恐懼.
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事情一發生,採取的不是具體的行動與制定實際的策略,不是向民眾說清楚事實和情況,而是尖叫,像一個孩子一樣,不斷大喊我沒有錯,然後把責任推卸出去.
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這是無能而且軟弱的市政首長,會有的表現.
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製造民眾恐慌.
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我以為侯友宜已經學到教訓,再當初萬華疫情爆發之時,他一連串的吶喊封城、方艙醫院、三級四級五級封鎖,結果造成的是,市民們跑到超商和量販店搶食物和衛生紙,造成大規模的群聚,並且理當不應發生的感染,由市長創造的傳播鏈,或許我們可以這麼說.
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「不排除幼兒園群聚與機師相關!」、「中央基因定序要加快腳步」、「該升三級就升三級!」、「希望孩子疫苗能趕快施打!bnt已進來了,能早一天就早一天打!」、「幼兒園師打過莫德納仍染疫 侯友宜籲:快讓老師打第二劑」、「埃及爸一日陰轉陽? 網驚侯友宜『一句話』戰翻:太恐怖」.
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新北市板橋面臨Delta入侵,侯友宜的反應卻是指揮起中央起來,我想無論是成功阻絕delta的屏東,還是平息晶圓代工廠的苗栗,或是創下大樓清空教科書的高雄,都不會這樣做,而仔細看他所說的內容,基本上對防疫沒有任何幫助,完全沒有,可以說是在「反防疫」,定序結果出來,和機師無關,侯友宜在尚未確定感染源之時,就將自己的懷疑當作一種根據,誤導民眾和媒體,這近乎於謠言;中央基因定序,有一定的流程和步驟,你再怎麼喊機器也不會突然加速,這是廢話;不斷要整體因為新北上升防禦管制,而自己本來就要做的,也可以做的,停班/停課/禁止內用,卻不去做,這叫務虛不務實;感染的對象是未滿12歲的幼兒,bnt開始施打也打不了,更何況,bnt疫苗還需要審查封緘作業,施打順序流程也還要規劃,根本緩不濟急,更重要的,是台北市的教訓,不要把疫苗當成是萬靈丹,可以治療當下已被染疫者的症狀.
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這是傳遞錯誤知識.
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Delta病毒的特徵,就是突破性感染,台大護士打了兩劑疫苗,仍然新北社區居住處染疫,這就跟打一劑還是兩劑,沒有關聯,更何況,幼教老師排序是第七類,上個月才打完第一劑,現在打第二劑來的及嗎?排的到嗎?新北市規劃做好了嗎?明天施打,可以解決今天製造的傳染鏈嗎?
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這叫欠缺防疫常識.
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疫情剛開始,新北市長不但散播近似謠言,滿口廢話,務虛,傳遞錯誤知識,甚至欠缺防疫常識,請問,下面的人如何有所適從?民眾心裡會不會越不安?本來的情況會不會更混亂?
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唯一令人關注的點是埃及家長,不過,他隔離14天,篩檢了三次,pcr陰性,現在被檢驗出陽性,CT值38,這數值是偏高,代表病毒量低,8月4日入境,推算8月18日解隔離,孩子9月6日確診,他究竟是感染源,或是末端被感染者?如是感染源,那麼,人們對delta的認知可能得改觀了,境外封堵措施,也可能必須重新規劃.
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病毒不會從新北的土裡長出來,同樣的,病毒也不會在新北停止傳播,新北不住人嗎?新北不會駐留病毒嗎?假設埃及爸是感染源,他是不是新北人?埃及會長出病毒嗎?機場會長出病毒嗎?因為病毒不會從土裡生出來,就代表機場不用管制了嗎?爆發地就不用進行防疫了嗎?
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這應該是全宇宙最好笑的笑話,而且我確定,應該是從柯糞學習來的.
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新北市長說要承擔,派一個台北市議員在那邊說笑話,這叫承擔嗎?
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我彷彿看到一個顫抖的小藍孩,走上台上演說,表現自己有多麼英勇,站著,站著,手卻在發抖,然後開始胡說八道,指揮起校長和老師,命令他們該怎麼做,而不是真正的在為台下的人說些什麼,傳遞正確的訊息.
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不如問問,新北有機場嗎?為何不是在桃園爆發,在高雄爆發,而是在新北市呢?
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我以為疫情到了現在,從台北萬華爆發開始,人們終於已經明白,光靠境外封堵是不夠的,阻絕境外從病毒被抑制到現在,不可能是百分之百,光靠中央的境外封鎖,是不足以對抗疫情的,還要有地方本身創造讓病毒難以傳播的環境.
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否則,再完美的封鎖,都會有漏洞,仍然有人要出國,有人要住檢疫旅館,有人要居家檢疫,人們會持續進來,重點在於,每個人,每個地方的NPI(非藥物介入措施),有沒有做好,個人來說,就是戴口罩,保持社交距離,對地方政府而言,就是你有沒有落實管制,以及,確實的篩檢,匡列,疫調.
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新北市的問題,從侯友宜的臉書就可以看出來,許多過往被市長壓抑的聲音,新北,連基本的防疫措施都沒做好,鬆懈了.
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「既然板橋是熱區,建議市長把板橋的篩檢站未來的七天延長篩檢到晚上10點,不然篩檢站都只是篩檢到下午四點,有些人上班又不好意思請假去篩檢,下班想去篩檢,篩檢站都關了!而且現在上網去登記都滿了!!請問候市長,您要大家勇於出來篩,不要怕篩,問題都篩檢額度都滿了,所以希望您能再延長篩檢站時間跟篩檢名額,這禮拜是關鍵,要用力篩,努力篩,24小時篩,趕快把隱形感染源找出來……」
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我不知道篩檢站只篩到下午四點,是在篩什麼東西,比圖書館關門的時間還早,為什麼侯友宜的支持者們,不斷鼓吹上班族打不到疫苗,而最基本的篩檢,卻對上班族如此不友善.
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篩檢站還得上網登記,然後都爆滿,這意味著什麼?有大量民眾有篩檢需求,而全國的PCR量能,已經不同於萬華爆發的那時候,PCR十分快速而且有效率,新北/台北確診數佔全台80%以上,每天都和台北市輪流佔據榜首,每天都有人確診,不設置更多篩檢站,是在做什麼?這顯然是策略問題,而幼兒園群聚爆發之初,即有議員要求加開篩檢站,現在才派機動篩檢隊進入社區,坦白說,晚了.
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這件Delta群聚案件,其實可以更早發現,何解?有政論節目的來賓表示,上月中,其實附近診所已經開始接收到大量幼兒發燒的情況,不過沒有馬上通報,或者判斷為武漢肺炎,而原因之一,就是一旦發現確診,診所必須立即長時間歇業,這些過於重的變相懲罰,反而使得基層醫師不敢通報.
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而有一個案例,更是顯而易見,市政府多麼不重視「篩檢」這回事,有醫師發現家長和幼兒可能被感染,立即請他們去做篩檢,結果呢?病人到了篩檢站,被說「人滿了,要電腦預約」,然後,就沒有然後了,他們篩不到,就回家了,然後是現在的delta爆發.
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新北市薄弱的篩檢機制,沒有接住他們.
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當然,身為台北市民,我想,我可能沒有資格指責新北-因為我們的市長,柯文哲,更誇張,他幾天前說要取消免費pcr,因為一個人要花新台幣3000,他要算一下成本,考慮值不值得,並稱,疫情已經消滅了.
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然後delta來了,並且從新北竄入台北各區,臺大醫院,神父希望這摳門的市長能再想一下,究竟值不值得.
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回到正題,新北市的問題,除了篩檢以外,還有就是警察取締,新北市長明明是警界出身,警察管理的方式卻越來越鬆散,不知是何故.
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「現在路上很多邊走邊抽煙的人警察也不取締了,熱炒店都沒有梅花座隔板也超級低有隔跟沒隔一樣,防疫已經鬆懈了.」
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其他還有許多新北市民,反映河堤邊很多人都沒戴口罩,現在還在二級警戒,顯然,在疫情爆發之前,新北市長侯友宜連二級警戒應該做的,都沒有做好,喊中央要三級,有什麼屁用?
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新北市長該喊得,或許不是「加強二級警戒」,而是「請把原本的二級做好」.
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另外,立法委員王婉諭也提出一個重點,「該幼兒園的空間,晚上居然變成安親班,且安親班根本沒有依照《幼兒園兼辦國民小學兒童課後照顧服務辦法》確實立案!」
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如果幼兒園的空間沒有規劃好,人數沒有限定,安親班不依法立案,地方政府也無法掌握安親班收多少學生、空間符不符合規定,此次的幼兒園群聚,恐怕就是在這種情境下發生的吧.
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幼兒無法打疫苗,彼此活動親近,聚集在一起,無法像國高中生那樣分教室,妥善管理,有戶外廣大的校區,那麼,一群擠在一起的小孩們,可能長時間不論上下課都在呼吸相同的空氣,近距離的接觸,然後傳回給自己的父母和家庭,說白了,其實某種程度跟萬華茶室相似,萬華茶室,就是沒在管理,然後不屬於八大列管,用小吃店招牌,新北市的安親班,又有多少不是用安親班的名義立案?
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此次疫情發生的地點,在板橋,蔓延到台北市中山、中正區,坦白說,萬華區才是重中之重,萬華/板橋僅一橋之隔,當初就是從萬華燒到板橋,現在則有可能從板橋燒到萬華,萬華不少人都在板橋工作,特別是新埔-江子翠這一帶,有許多辦公大樓,還請新北市政府,多向企業/金融機構宣導,讓員工暫時在家辦公,減少跨區移動,台北市政府,則必須注意萬華區的疫情,可以的話,仿照環南市場,開設篩檢站,主動篩檢,不要以為,只要新北篩就好,台北就沒事.
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別忘了,這次面對的是delta病毒,傳染力比英國變種病毒高出60%,1人可以傳染6~7人,病毒量是原始株1000倍以上,重症和住院率也增加2.5倍.
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若說新北市政府的防疫,欠缺什麼,我想,是欠監督.
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在疫情爆發當時,電視媒體還在報導侯友宜的好感度有多高,而不是疫情處理得如何,完完全全的忽略,新北市民的痛苦.
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這種盲目的造神方式,掩蓋了市民真實的聲音,就如同中國在武漢肺炎蔓延時,那樣的情景,媒體歌功頌德,李文亮說不出真話,錯誤的,當成正確的來做,失敗的,當成成功的標的,於是「確診數越高,民調越高」,鼓勵人們往相反的方向行走,鼓勵市長堅持自己鬆散的防疫標準.
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犧牲的,是新北市民,以及全台灣人的安全.
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而市府經營的良好媒體關係,公關形象,恰巧是防疫的絆腳石,你找不出問題在哪裏,人們為了維護這一個偶像泡沫,開始各種奇形怪異的言論,包括,「幼兒園群聚!爸媽剛好是疫苗孤兒 網嚇歪:完蛋了」,這種近乎可恥而且反智的言論.
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一開始炒19歲疫苗孤兒就算了,然後開放18-22歲,又罵「憑什麼插隊?」、「39歲不是人嗎?」,現在,變成「爸媽剛好都是25至35歲這個年齡層」,這些,都是ptt柯糞無知的謊言,來至於對岸的操弄民粹.
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在新加坡,12歲以上學生先打疫苗,打完後,才輪到39歲以下,照年齡,根本就沒有什麼插隊和疫苗孤兒的問題.
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只有中華民國的一群巨嬰才會有.
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簡單的道理,你要讓幼兒老師優先,照順序年輕父母就會被排擠到,而神父早說了,家庭傳播才是本來應該注意的點,當初這群人說12歲小孩打疫苗是插隊,這又是怎麼回事?
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請停止用疫苗,搞「相對剝奪感」,或者,像雙北市長一樣,用疫苗來掩飾自己的防疫無能.
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疫苗是不會治療當下的疫情的,只有貫徹NPI,減少人員流動,勤洗手,戴口罩,篩檢,匡列,疫調,才能阻止病毒傳播.
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常說這些中華巨嬰的心態,十分奇怪,疫情和緩,要求比照瑞典,解除一切管制,與病毒共存,疫情來時,地方政府失陷,卻要跳針百分之百的封鎖管制,不是大好,就是大壞,不是全放,就是要全縮,這些都是不正常的,只看到,別人成功時就想要破壞,自己失敗時又想要卸責,這種極度自私的心態,請這些隱藏的破壞者,閉嘴,你們少說一句胡話,就能減少病毒傳播,你們克制自己的私心,就會有多一人存活.
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中秋將至,毫不意外又會有一堆中秋活動,以及一堆人跑到戶外烤肉,和新北一樣,沒有隔板和梅花座,這就是一個大型的群聚燒肉活動,各種自發的路邊攤,同一時間開張,同一時間聚集,然後多會是4人以上.
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請雙北市長,嚴格限制中秋活動,禁止烤肉行為,Delta才剛入侵,台灣還有救.
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而守護生命的鑰匙,掌握在你我的手中,brother.
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ASAKU® X Dragon Life
Part.1
この本の全13章。
アサク伝X真龍の魂
原作: 劉明昆
訳者:ZiON
あらすじ
神説年暦36772年
『神説大陸』の地表にある『人間界』『妖精界』『幻獣界』に、緑色の『鏡返ノ核』が出現し始める。毎回の出現場所が不定、中から核を守るための小さな魔物が同時に現れる。出現して24時間後赤色に変化し、半径一キロあたりにて『逆時震盪』でエネルギーを放つ。その力によって時間が過去へN年分に巻き戻し、そしてより強い魔物と、核を守護する『鏡返核獣(ミラーコア獣)』が召喚される。一つの『鏡返ノ核』に一回しか『逆時震盪』が発動しない、が、コアが出現するだけで周囲にいる動物や魔物の狂暴化を引き起こす。
『鏡返ノ核』の出現頻度が約3~7日、現在、コアを破壊する方法が見つかっていない。
『逆時震盪』が発生すれば、半径一キロの範囲内で過去へN年分のタイムリープが起こり、有機物でも無機物でも時間がN年分巻き戻される影響を受ける。例をあげるとつまり、「その場にいる人間はそのN年分若返る」という、実際の存在時間がNより少ない場合は、存在ごと消えることになるが、その範囲から出ると元通りに戻る。単なる時間の巻き戻しではなく、コアを守る魔物も多く出現するのと、そのN年前に存在していた者も一緒に現れるが、魂の持たない攻撃的なゾンビになってしまう。それでも、亡くなった人に会いたい人にとってはどうしても、期待を持ってしまうことでしょう。
魔物による破壊と、どれくらいの時間が巻き戻されるかは予測不能なため、誰も予兆が出る時に影響範囲内にとどまらない。『逆時震盪』が起きれば、逃げるしかない。
神説大陸に存在する種族の中で唯一、『逆時震盪』に影響されないのは精霊族だ。そして、『鏡返ノ核』は精霊界にだけ出現しないと言われている。理由こそ不明だが、『逆時震盪』に影響されない絶対的な防御力を持つ精霊でも、コアを破壊する能力がなく、魔物の出現を阻止するのには封印しか手段がない。
精霊聖王の命令により、『精霊界』光族の封印士・アサクとその仲間たちは、『鏡返ノ核』の出現場所を予測し、『逆時震盪』を測れる【不帰ノ羅針盤】を手に、“『逆時震盪』による危害と大量に出現する魔物の原因・『鏡返ノ核』を封印すべく”と、世界へと旅立つ。
第一章:封印士アサク(Action Chapter)
神説年暦36722年 8月12日 月曜日 午後三時
人間界の『フィル王城』の西南方向にある小さな村『エデンの村』では、『鏡返ノ核』の出現によって、村人たちを撤退させるべく、フィル王城から発遣された軍隊が、人々を守るため魔物と戦う。コアが赤色に変化し始め、残り時間30分あたりで、『逆時震盪』による大量の魔物に備えるため、軍隊が戦線を下げて村の外に包囲網を張ろうとしたその時、布陣の手前に急に『折畳ノ廻廊』が現れ、中から青い服に白マント、【聖印短劍】を持つ魔法使いらしき若い男と、その隣にピエロのようなぬいぐるみと、羽をもつ獅子、そしてかわいらしい女の子が一緒に出てきて、そのまま村へ向かっていく。慌てて止めようとする兵士に、男がこういう。
アサク「俺は精霊聖王のご命令により『鏡返ノ核』を封印すべくここにきた精霊光族の封印士、名はアサクだ。あんたたちみたいな役に立たない小物は早くどっかに逃げるんだな」
兵士 「な、この無礼もの!」
となりに立っている女の子がアサクにストレートを一発かまして、礼儀正しくこう言った。
イリヤ「精霊土族の猛獣使い・イリヤと申します。兄のご無礼をお詫びいたします。こちらの軍隊をお率いになっている将軍様はどなたでしょうか」
この時、将軍らしき男が布陣から出てきて、礼儀正しく挨拶をする。
スタール「精霊界からのお力添え、感謝いたします。俺はフィル王国軍団団長・スタールと申します。どうかコアを封印し、危害をお治めくださいませ」
イリヤ「村にはもう全員撤退しましたでしょうか」
スタール「ええ、全員撤退させました」
アサク「よし、なら安心して暴れるんだな!」
そう言って、ピエロのようなぬいぐるみと羽をもつ魔獅子を連れて村へ駆け込んで、魔物を戦うためにコアへと前進する。
イリヤ「イリアは魔獣の狂暴化について調査するために来ましたの。コアの影響で普段おとなしいものでもとても攻撃的になってしまいますので、どうかお気を付けてください」
イリヤはスタール団長へ一礼してからアサクに続けて村へと入った。
大量の魔物が襲い掛かる。アサクは【聖印短劍】で迎え撃つ。【聖印短劍】に切られた魔物はすべて封印術によって身動きを取れず、そしてその属性の力を短剣の中へ吸い込んで蓄えることができる。ほかの物に触れても同じ効果で、例えば石なら土属性の力を吸い込むことができる。
アサクが魔法を発動するのには、左手に正三星陣、右手に逆三星陣を放ち、吸収した属性の力を手の魔法陣に付与すれば、陣魔法で攻撃できる。敵が複数の場合は逆三星陣で拡散式の魔法を、一点攻撃する場合は正三星陣で集中式の魔法を発する。だが陣魔法の威力は、吸収した属性の力強さで決められる。
イリヤは【愛のムチ】で戦う。このムチに叩かれると、悪の魔獣は浄化され、正常の魔獣ならおとなしくなって攻撃してこなくなる、イリヤの友達になって一緒に戦ってくれることも。
コアに近づければ近づくほど敵が強くなり、アサクが一気にコア近づけることを決めて、【聖印短劍】をしめて、ピエロのようなぬいぐるみへ叫ぶ。
アサク「来い、ゴーストカード! 【日輪ノ剣】へ幻化してくれ!」
ピエロのぬいぐるみが【日輪ノ剣】へと変身し、剣身から太陽のような輝きを放つ。アサクがこの神剣を振りかざし魔物を迎え撃つが、日の光に当たらないところに入ってしまう途端に、剣の輝きが弱まり、力を失っていく。この時に剣からゴーストカードの声が発した。
ゴーストカード「だめです! 光のないところだと【日輪ノ剣】は力を失ってしまいます! もうすぐ日が落ちます。早く片付けないと!」
アサク「わかってる! すぐ片付けるよ」
アサクが魔獅子の背に飛び乗り、コアへ駆け込む。もうすぐ赤くなるコアを前にして、突然、どこか赤子の鳴き声が聞こえた。声を辿ってみると、コアのすぐ近くにある民家の隅っこに隠れている、赤子を抱えている若い女を見つける。
アサク「やばっ! 間に合わない!」
そう言って、アサクが若い女を、イリヤが赤子を抱き上げて、すぐ村の外へ出ようとしたが、時はすでに遅く、『逆時震盪』が起きてしまった!
強烈な震動波が拡散し、周りの景色も変化し始めて、女は塵となり消えていく。なのにまぜか、イリヤが抱えている赤子はなんの変化も起きなかった。驚きながらもイリヤは悲しく叫ぶ。
イリヤ「みな離れたって言ったのに! なんで!」
アサクが懐に入れてある【不帰ノ羅針盤】をみて、巻き戻された時間はちょうど80年。ゴーストカードがアサクに先にコアを処理しないと危害が広がると進言した。イリヤに赤子を守って村から離れるように指示するが、なぜか赤子が起きてからアサクにすっかりなついて、抱いてもらわないとすぐ泣き出す。仕方なく赤子をおんぶしてコアの封印に手掛けるアサクは、イリヤにお父さんって揶揄された。
アサク「あーもう、うるさい!」
赤子がその怒鳴りで泣き出してしまい、二人が同時に人差し指を口の前にかざして「しー」って言ったらまた静かになった。
アサク「コアを守護する魔王が出てきたな、とどめをさしいこう。さっさと任務を終わらせて帰ろうぜ」
このコアの守護魔王が巨大な食人花で、毒をもつ粘液とつるで攻撃してくる。アサクは行風術を使って攻撃をかわしながら飛んでくるつるを切るが、なかなか近づけてとどめをさせないでいる。
奇妙なことに、赤子は戦いの真っ最中でもまったく暴れず泣かずに、すごく静かだった。
イリヤがさき手懐けた短足イノシシを乗って攻撃を試みるが、魔王が強すぎて逃げ回ることしかできない。
この時にもう日が落ちてすっかり夜になってしまった。
ゴーストカード「やばい! もう日の光が――」
そう叫んですぐ【日輪ノ剣】からもとのぬいぐるみの姿に戻ってしまった。アサクはやむを得ずに【聖印短劍】で迎撃する。
アサク「くそ! 【聖印短劍】じゃ効果がない。吸収した属性の力が弱すぎる、もっと大きな炎じゃないとこいつを燃やせない!」
そして魔獅子に向かって叫ぶ。
アサク「俺に炎の攻撃を三回してくれ!」
魔獅子は宙返りして距離を取り、アサクに向かって、口から巨大なファイヤーボールを吐き出す。
アサクは左手を高く上げて手のひらをかざし、正三角形の魔法陣が魔獅子が放たれたファイヤーボールを吸収した。高いところへ跳んで、すぐ食人花の口の前に駆け込み、左手が拳に握って後ろに引き力を蓄えると、三つのファイヤーボールが一つに集中!
そして手を前にかざし、拳を開けて魔法を放つ。
アサク「正三星陣魔法! 火炎竜巻!!」
猛烈な火炎が食人花を燃やし尽くした。アサクはすぐコアの前に行き、透明な水晶で作られた箱【聖獄ノ籠水晶】を持ち出して、表面に刻み込まれている呪文で封印術を発動する。封印を行う間は魔獣がまた襲い掛かるが、魔獅子が守ってくれたおかげでみな無事だった。
眩しい光が放たれ、結界が築かれた。コアを無事封印したが、周りの景色はもうもとには戻れない、80年前のままだった。
助かった赤子を村人に渡そうとしたが、みな”あいつは悪魔の子だ”と騒ぎだして、誰も引き取ろうとしない。それは、赤子の母親が倫理を反して、父親が誰なのかを明かさずにその子を産んだからだ。赤子はなぜかアサクから離れようとしないし、仕方なく連れて行くことにしたふたり。イリヤは手懐けた短足イノシシとお別れをしてから、【折畳ノ廻廊】を起動し、二人は精霊界へ戻った。
第二章:防ぎきれないこと
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午前十一時
精霊王城の会議室にて会談が行われている。参加するのは精霊聖王・オデロス、オーカ将軍、ハプ司祭、精霊の姫君・ジェフロ、アサク、イリヤ、そして人間界から連れてきた赤子だった。
アサクは片足で跪いて、精霊聖王・オデロスにエデンの村でのできことを報告し、その傍らにイリヤがゆりかごに眠っている赤子をみている。
アサク「ことは以上です。聖王様」
精霊聖王・オデロスがアサクに表を上げようといい、となりのオーカ将軍に見解を求める。すると、オーカ将軍の顔がすこし赤いのを気づき、叱るように言う。
オデロス「そなたたちまさか、昼間から酒を飲んだではあるまいな」
オーカ「そ、それはその、ハプ司祭が造った酒が良すぎて、目覚ましにちょうどいいからで……」
ハプ「オーカ、おぬし……せっかくよい酒を取っておいてやったのに」
聖王オデロスがお怒りの様子で少し咳払いをしたら、周りがしんとなってしまった。それから手を一振りして、ハプ司祭がすぐ注いておいた盃を聖王に渡す。一気に飲み干してまことにうまい!と言ってからまた真顔でアサクに続けようと合図をした。
ジェフロ(不機嫌)「父上までおふざけして!まだ公務が残っているのでは」
オデロス「大事ないよ、精霊界がいつものように平和でのんびりだ」
ジェフロ(手を腰にあてて、呆れる)「もう、少しは危機意識を持たないと!」
アサクが頭を掻いてから、片手を顔に覆いて呆れていう。
アサク(独り言みたいな)「この老いぼれたち、本当に『鏡返ノ核』のことを気にしているのか」
オーカ「我々精霊界はそもそも外界のことを干渉してはならん決まりだが、大賢者聖竜王様が、『逆時震盪』が精霊しか対抗できないからと天神界の神託だといい、聖王様にエデンの村のコアを処理するよう、おまえを指名してな」
アサク「またあの陰謀家の聖竜王?やつの言いなりにならなくだって」
オデロス「天神界のお達しだ、仕方ない」
アサク「くそ……」
このとき、ハプ司祭は赤子に近づき、よく観察する。
ハプ「ふむ、この人間の赤子、『逆時震盪』の影響を受けないとは、確かに不思議だ」
同時にイリアが赤子を包み込んでいる毛布を開けてみると、毛布に<ADAM(アダム)>が書いてあて、赤子の背中に、虹紋章のバースマークがみえた。それに驚いたか、聖王がすぐ近寄って赤子の背中を確認し、オーカ将軍も続いた。
オデロス(文字ごとはっきりと)「なんと……虹、聖者」
オーカ「ではこの赤子こそが新たな虹聖者か、名は……アダム」
ハプ「アサクがエデンの村へ出向くのも奴らの計画通りってわけか。一本取られたわい」
アサク「で、どうすればいいですか。この子ずっと俺にべったりで、起きて俺に抱っこされてないと気づくとすげー泣きわめくんですよ。いっとくけどベビーシスタはいやだからな」
オーカ「待った! アサク、前の二つのコアの出現場所、覚えてるか?」
アサク「一つは妖精界の『時間図書館』で、もう一つが人間界・フィル王国東南部の『フジルス砂漠』です。二箇所ともすでに『逆時震盪』が起きてしまったから、聖王様のご命令とおりに、まだ震盪が起きてないエデンの村へいきました。時間的にいけたはずだったけど、この子を助けたため結局封印が間に合いませんでしたが」
ハプ「人間界に出現した二つのコアとも、フィル王国の近くか、どうも匂うなぁ…」
オデロス「いかん! オーカ将軍、すぐ禁衛軍を集結し戦闘態勢に入りたまえ!」
聖王の指示で、オーカ将軍がすぐ会議室から飛び出し、警報を鳴らす。
アサク「どういうことですか??」
ジェフロ「早く赤子を守って」
イリアすぐまだ眠っているアダムを胸に抱きしめた。
ハプ「これは、とんだ企みだ! 『逆時震盪』を利用し、『時間図書館』で偽りの歴史を作り、『フジルス砂漠』にて過去に存在した『ミラージュレーク』を呼び戻した。そしてこの子はやつの手駒…震盪の影響をうけないとわかっててあそこに置いた。おぬしがこの子を連れて【折畳ノ廻廊】で精霊界に戻ることで、震盪の痕跡が残り、もともとコアが侵入不可能の精霊界に隙間が生じてしまったのだ」
まさにその時、急にとどろきのような音が響いて、精霊王城が地震でも起きたように揺らいだ。
ハプ「この子が起きて騒ぎだしたら見つかってしまう。わしが深い眠りにつくように術をかけとくよ。イリア、アダムは任せたぞ。アサクは早く敵襲に対応しろ!」
イリア「了解いたしました。ちゃんと守って見せます」
アサク「そこまで深刻ですか! すぐ向かいます! ゴーストカード、魔獅子、ついてこい!」
二人の従士を召喚して、三人はすぐ音がした場所へ急いだ。着いた時には精霊王城正殿の真上に時空の裂け目ぽっかり空いてしまい、すでに大量の魔物が湧き出している!手前にオーカ将軍が禁衛軍を率いて応戦してるところだった。
アサク「なんてことだ!」
アサクはすぐゴーストカードに【日輪ノ剣】に変身させ、魔獅子とともに戦いに加わった。聖王オデロスもジェフロを連れて正殿に到着。二人の周りには禁衛軍が守りを固めている。同時に、九尾妖狐が時空の裂け目から正殿へと降りってくる。
九尾妖狐「あらまあ…ふふ、美しきあたしをこんなにも大勢で出迎えてくれたのかい、うれしいねぇ、さあ、情熱的な歓声をあげなさい」
アサク「この変態野郎!」
その時、全域空間防御を担う精霊兵士より報告が届いた。
精霊兵士「報告! 聖王様、精霊聖地にて『鏡返ノ核』が出現!」
聖王オデロスがすぐ聖地を守るようにオーカ将軍に指示し、正殿の魔物が聖地に行けないようにと一部の禁衛軍兵士を残し、後をアサクに任せて、その場を立とうとしたが……
ジェフロ「わたくしは残ってアサクに協力するわ!」
オデロス「だめだ! すぐオーカ将軍に続いて聖地へ向かいたまえ」
聖王オデロスがオーカ将軍、ジェフロとイリアを率いて正殿後方にある廊下を通り、精霊聖地へ向かう。
正殿に現れた魔物たちがアサクと近衛軍に着々と退治されていくが、なぜか九尾妖狐がまるで見世物を見ているようにびくとも動かないまま、やがて魔物が彼だけとなった。
九尾妖狐(高笑いして)「スポットライトはあたしだけを照らすものよ。どう? スーパースターみたく輝いているでしょ」
そう言って突然と手を上げ、強い衝撃波を放つ。
精霊禁衛軍を守ろうと、アサクはすぐみなを庇うように最前列に出て、全身から聖光を放ち、【獅幻神裝】を纏って九尾妖狐の攻撃を受け流した。
左従者のゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を手にかまい、右従者の魔獅子が変身した【獅幻神裝】を纏った姿こそ、アサクの完全なる武装なのだ。
アサク(禁衛軍に向かって)「おんたたちはもう聖地に向かってくれ、ここは俺に任せろ!」
禁衛軍兵士「了解しました!」
返事した禁衛軍の兵士たちはすぐさま聖地へと駆け付ける。
九尾妖狐「あたしは、鏡界から降臨した陰魔六将軍、名は九尾妖狐。親しくして~“九ちゃん”って呼んでもいいのよ。さすが天神界の力を得た者ね、アサク。神と精霊の融合体か、本~当、反則よね」
アサク「なんなんだおんたは! 九ちゃんとか、誰が呼ぶか! あいにくこっちは遊んでる暇ないんだな、今片付けてやる!」
九尾妖狐「さて、君ごときで、このあたしに勝てるかしら?うふふ……」
笑い声を発したと思えば、もうアサクの目の前に瞬間移動して、攻撃をかまってきた!
九尾妖狐の攻撃が思ったよりも重く、全身武装した状態のアサクでも、【日輪ノ剣】で攻撃を受け流しながら陣魔法で魔法攻撃を吸収して反撃をするが、どうも苦戦に陥ってしまう。幸い、【獅幻神裝】の防御でなんとか保つことができた。
素早く動きながら攻撃してくる九尾妖狐は余裕ありげに笑いかけてくる。
九尾妖狐「はははっ、神と融合したせいで、もともと持ってた精霊の力を失って、元素魔法が使えなくなったのね。それで受けたものを吸収して反撃に使うしかなくなったわけか。なるほど、これはこれは、神様って意地悪いねー、はははは」
アサク「なんでそこまで俺に詳しいんだよ!?」
九尾妖狐「それは~愛してるから♥だよ(ウィンク)」
アサク「気持ち悪っ!」
九本の尾が一斉に伸び、九尾妖狐がセクターなポーズを取ってこう言った。
九尾妖狐「さあ、あたしのすべての愛を乗せる、最強の一撃をうけてごらんなさい♥」
先と比べものにならないほどの莫大な魔力が九尾妖狐の体に集中していると感じたアサクは、この一撃で勝負がきまるとわかった。
アサク(テレパシーでゴーストカードと魔獅子に)「あれを使うしかない」
ゴーストカード(テレパシー)「マスター、本当に使いますか? まだ完全に使いこなせてないのに、発動した後力が抜けて、いつ回復できるか分からないのですよ!」
魔獅子(テレパシー)「でも確かにそうするしかなさそうです。自分ももう攻撃を受けきれません。まずはやつ倒すことを考えましょう。そのあとは自分たちがマスターを守ります」
心で会話をかわす僅かな間に、九尾妖狐はもう力を整えて、技をぶつけてくる!
九尾妖狐「九重狐撃・滅骸破!!」
まさに同時に、アサクは宙返りして背中から天使と精霊の翼が生えてきて、【七属性ノ鍵】がアサクを中心に飛び回り聖光を放ちながら、七本の巨剣となる。
アサク「俺にはまだ神の力がある! 七鍵衝殺陣!!」
互いの大技が宙にぶつけ合い、九尾妖狐が避けきれずに重傷を負い、間一髪で時空の裂け目を通って鏡界へ逃げ帰って、あまりの強力で精霊王城もほとんど壊滅してしまった。
ゴーストカードと魔獅子が変身を解いてもとの姿に戻り、アサクも技の影響で全身の力が抜けてしまって、意識はちゃんとしてるが、もうまったく動けない状態だ。魔獅子はアサクを背負ってゴーストカードとともに精霊聖地へ向かう。
これで、数万年以来一度も侵入を許したことがないと誇る精霊界も、正式に破られてしまったのだ。
精霊聖地に着くとそこに『鏡返ノ核』が中央の祭壇に現れていて、聖王オデロスが部下たちを率いて湧き出している魔物たちと戦っている姿がみえたが、すでに力が残されていないアサクには何もできない。
アサク「どうしてハプ司祭が、早くコアを封印しないんだ?」
第三章:永凍絶界
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午後二時
精霊界で最も重要な場所『精霊聖地』に、『鏡返ノ核』が出現、ハプ司祭がコアの近くにいながら、魔物ばかりかまっていてコアを封印しようとしない様子。
魔獅子がアサクをハプ司祭のとなりまで連れいった。
アサク(虚弱)「どうしてすぐコアを封印しないんですか。【聖獄ノ籠水晶】をくれたのはあなたなのに……」
ハプ司祭「【聖獄ノ籠水晶】は聖竜王が天神界から持ってきたもの、おぬししか使えないといいおった。だから、コアを封印する任務をおぬしに与えたのだよ」
アサク(虚弱)「そんな……俺はもう、【聖獄ノ籠水晶】を発動する力も残されてない。まさか『逆時震盪』で精霊聖地が破壊されるのをただ見るしかできないというんですか」
ハプ司祭「とにかく休んで、少しでも回復に努めるのじゃ」
この時、イリアが泣きながらこちらに走ってきた。
イリア「うう……黒マントの男にアダムを奪い去らわれてしまいました。イリアでは全然太刀打ちできなかったの。ごめんなさい、イリアのせいだわ、どうしよう……」
アサク「あなたは悪くねえよ、もう泣くな」
ハプ司祭「精霊界に来てアダムを奪うことも、やつの計画の一環なんじゃろうな」
オーカ将軍が精霊禁衛軍を率いて攻撃の陣を組んでコア周辺にいる魔物たちに反撃を繰り返し、聖王オデロスがコアの真上に雷撃の術をかけてコアを打ち砕こうとするが、まったくの徒労だった。
この時に、強い黒き光が聖地の高台から放て時空の裂け目を作り、その中から黒竜に乗っている騎士の姿が現れた。彼は響き渡る声でいう。
フィリップス「俺様は陰魔二将軍、フィリップスだ。鏡界を代表し、正式に精霊界に宣戦布告を告げる!」
このフィリップスと名乗った黒竜を乗る騎士から放たれる特殊な魔力に、ただならぬ恐怖を感じたかのように、周りの魔物たちがみな身動きがとれなくなっている。
アサク・オーカ「これは! 失踪した風族の精霊・サルの霊力!?」
アサク「どうしてあいつから精霊の力を感じるんだ!」
オーカ「いや、正しくは風属性の精霊の力と闇属性の魔力が混ざり合っている強大の力だ! この精霊界では相手になれる人いないかもしれん」
オデロス「……」
フィリップス将軍が手を振ると、黒竜から強い竜巻が襲ってくる。精霊禁衛軍軍団の大半が竜巻の勢いに耐えきれず吹き飛ばされ、何人か苦労して防御術を立ち上げて対抗しようにもあまり効果が見られない中、なぜかジェフロにだけまったく影響がなく、すこしもダメージを受けていない。その様子をみて、聖王オデロスはすぐみなに指示をだす。
オデロス「ジェフロ姫の後ろに隠れろ!」
精霊軍団が群れとなってジェフロの後ろにくっついて、ジェフロが移動すると軍団も続いてくという、なんとまあ奇妙な絵面になった。
ジェフロ「どうして私の後ろに隠れるのよ。私はあのフィリップス将軍というやからを懲らしめにいきたいの!」
そういって奔ろうとするけど、姫が動いてしまうとみな吹き飛ばされるからと、周りに止められる。
ジェフロにだけ起きるこの現象に気づき、フィリップス将軍が急に激動した様子でジェフロに駆けてくる。みながジェフロをかばおうとする時に、まさかの攻撃ではなく、フィリップス将軍がジェフロを抱き込んで強引にキスした。その場にいる全員が目の前に起きたことに驚いていると、軍団に襲い掛かる竜巻もフィリップス将軍のこの行動でやんだのだ。
ジェフロが我に返って顔を真っ赤にし、怒りと恥ずかしさが混ざり合い、フィリップス将軍を突き出して、ぱっとビンタを食らわせた。
ジェフロ「この……不届き者! この私に無理やりキ、キスするなど! 何様のつもり!」
赤くなる頬に手を当て、ガッカリした様子でフィリップス将軍はいう。
フィリップス「君は…忘れたのか……」
そしてすぐ近寄った黒竜に乗り、高く飛んで離れた。
遠くに離れていくフィリップスの後ろ姿を見て、ジェフロはなぜか、胸が悶々と締め付けられる気がした。指で先強引に奪われた唇を撫でてみると、涙が勝手に流れてくる。
ジェフロ(心の声)「この悲しい感情はいったい……?」
フィリップス将軍が精霊軍団の表に戻り、大声で言い放つ
フィリップス「精霊界の最強のものを出してこい!」
すると、オーカ将軍が陣から高く上へ跳んで、マウントであるグリフォンを召喚して背中に乗り、フィリップス将軍と対峙する形になる。
オーカ「俺はオーカ将軍じゃ。精霊界最強の守護者が相手してやる」
フィリップス「ほう、この時をずっと待っていたぞ。やっとオーカ将軍とやり合う機会がきたか」
オーカ「一つ、疑問に答えてもらおうか」
フィリップス「ふんっ、二つとも答えてやるよ。一つ、そう、俺様そこが、かつて失踪した風族の精霊・サル。二つは……お前らが知ってるサル、もともと二人いたのだ。一人が精霊界に、一人が鏡界にいる。だが、俺様の本当の名は、フィリップスだ」
すでに弱っているアサクをちらっと目をやり、フィリップスは続いてこういった。
フィリップス「そのアサクと同じ、”ダブルフェース”をもっている」
オーカ「なんだと!」
アサク(心)「”ダブルフェース”……ってなんだ?」
この時、ゴーストカードがフィリップス将軍が身につける剣をみて、慌ててアサクに話しかける。
ゴーストカード「大変です。あの人、【月輪ノ剣】を持っています!」
アサク「そんな、まさか」
ゴーストカード「僕のセンサに間違いはありません。なぜなら僕と【月輪ノ剣】は、セットのゴーストカードだからです!でも、なぜあの人が【月輪ノ剣】を持っているんでしょうか」
フィリップス「国としての挨拶はここまでにしょう。そろそろ戦いを始めようか、まずは……」
フィリップス将軍が指を鳴らすと、精霊聖地に現れたコアが急に色が変わって、『逆時震盪』を引き起こす状態になった!アサクを含めて精霊族の全員が、自分の目を疑わずにいられない!
アサク「あいつ! 『逆時震盪』を加速させやがった!!! 早くコアを封印しなきゃ!」
でも依然と体力がもどらないままのアサクは、魔獅子の背中から降りる気力もない。
アサク(魔獅子に)「コアに触れるように、近づけてくれ」
魔獅子は指示に従ってコアのすぐそばまで近づけて、ゴーストカードがアサクの右手を支えて、コアに触れた。触れた瞬間に、コアの色の変化が明らかに遅くなったものの、アサクが冷や汗をかいてひどく苦しい表情をしている。
ハプ「よせ、アサク。それでは封印は無理じゃ、ただの時間稼ぎにしかならんし、そのままだとおぬしが力尽きでしんじまう!」
アサク「ただの時間稼ぎでもいい、もう、今の俺にはこれしか…」
するとイリアが自分の手をアサクの手に重ねた。
イリア「イリアも、お兄さんと一緒に精霊界を守ります!」
アサク(頭を少し下に向いて)「ああ」
オーカ将軍がグリフォンに乗ってフィリップス将軍へ突撃をかける。二つの世界での最強戦力を持つ男たちの対決は激しく繰り広げられて、交わる攻撃の震動波で近くにいる魔物も、一騎打ちを見守る精霊軍団も痺れさせられて、ただその場に動けずにいた。
長い戦いとともに時間が過ぎ去り、アサクもそろそろ限界を迎えてしまう。
フィリップス(オデロスに向かって)「精霊聖王よ、一つ教えてやろうか。この【鏡返ノ核】に設定されたタイムリープの時間は、ちょうど1000精霊年前だよ(人間界約41年)! そう、その精霊八大族の時代に!」
フィリップス将軍の言葉で、精霊族のみなが一気に顔が青ざめた。
オーカ「好き勝手にはさせん。混沌極まりないの1000精霊年前などに戻ってしまったら、今の世界線の神説大陸の全面的壊滅を招いてしまう!」
オーカ将軍が奥手の” 圓気裂衝砲”を発動しようと同時に、まさかのフィリップス将軍も、同じ大技をかけて決着をつけようとした。
オーカ「ほう、おまえは確か、俺のまなでしの精霊界のサルだな!」
が、それを聞いたフィリップス将軍はただ微笑んで、答えようとしなかった。
二つの技がぶつけ合うと同時に、アサクとイリアの力ももうコアを抑えることができなくなり、コアが鮮やかな赤色を放ち、『逆時震盪』はまさに引き起こされようとしていた時に。
オデロス「精霊界の王として、精霊界をいまここに壊滅させるわけにはいかん。すべての空族精霊よ、集結し伝送陣を発動せよ!」
空族精霊たちがすぐさま伝送魔法を発動する。
オデロス(オーカ将軍とハプ司祭に向かって)「精霊界を守りたまえ!」
オーカ将軍とハプ司祭はすぐ聖王オデロスのもとに駆け付けた。
ハプ(アサクに向かって)「いけ! できるだけ遠くへ逃げるのじゃ!」
聖王オデロスが手のひらに特殊のトーテムをかけると、トーテムが一匹の鷹となり、地中に向かって飛び潜った。そしてオーカ将軍とハプ司祭に頷きで合図をして……精霊界最大な封印術を発動する。
オデロス・オーカ・ハプ「永凍絕界!!」
『逆時震盪』が始まる頃に、空族の伝送魔法も発動した。
フィリップス「くそ! 精霊界ごと時間を凍結しようだと! 俺様はこんなところに閉じ込められたりはしない!」
そういってすぐ時空の裂け目を開けたが、ジェフロを一目みてから裂け目に入って姿を消した。
『逆時震盪』は永凍絕界によって止められてが、同時に伝送陣も停止してしまい、すべての精霊を伝送することはなく、アサクは幸運にも、伝送で逃げることができた。その瞬間に、ハプ司祭の声が聞こえた。
ハプ「精霊界を救うのには、精霊女王アランダを見つけるしかない。頼んだぞ、アサク」
アサクは涙が止まらないまま、伝送通路に入り、そのまま気絶した。
この戦いの末、精霊界の時間は止まったままになり、誰も入ることができず、そして、誰も出られなくなってしまったのだ。
第四章:人魚之淚
神説年暦36722年 8月19日 月曜日 午前十時
目覚めたアサクが初めに聞こえたのが、ゴーストカード、魔獅子とイリアの三人の声だった。
ゴーストカード、魔獅子、イリア「よかった!」
ゴーストカード「マスター! やっとお目覚めですか!」
イリア「もうーお兄さん! 二度と目覚めないかと心配したんだから!」
アサク「俺は……大丈夫だ。ここどこだ?」
ゴーストカード「僕たちは幻獣界の人魚国に伝送されたのです。女王様がこのお部屋を手配してくださいました!まさか一週間も眠り続けるとはな」
周りを見渡してみたら、さんさんと輝く日の光が水を通して照らしてるとても暖かい部屋だが、どう見ても女性の部屋だ。
ゴーストカード「人魚国には女性しかいませんからね」
アサク「ええ……」
アサクの身の周りにたくさんの花が飾っている。
アサク「で、この花はいったい……」
ゴーストカード(肩を軽くすくめてニヤっと)「マスターのファンたちから送られてきたものです。もう人魚国丸ごと虜にしちゃってるくらい大騒ぎですよ。お見舞いといって花を何度も持ってくる子もいます。なにせ女王様が自ら『美しき眠りの精霊王子』という異名をつけちゃうくらいですからね……」
魔獅子が顔をそらして笑いをこらえている。
そのとき、外から雑踏とした人の声がしてきた。ゴーストカードが、もう起きたってバレたら大変な目に合うから、早く寝たふりをするようにとアサクに合図し、ぬいぐるみのふりをした。アサクが横になって寝たふりをすると、やはり十何人の人魚の女の子がプレゼントと花をもって部屋に入ろうとする。魔獅子がすぐ姿をけして入口を塞ごうとしたが意味がなく、女の子たちが部屋に駆け込んできて、祝福を込めてアサクの頬にキスして、わいわいとはしゃいでからやっと部屋をでた。
皆出た後、アサクは起き上がり、キスされた頬を少し撫で顔を赤くして、満足しそうに笑った。それをみて、隣のイリアは不機嫌そうに口を尖らせた。
ゴーストカード(アサクの頭に一発殴って)「しっかりしなさい!」
アサク「俺見世物じゃねえし。早くここを出て情報を探そう」
イリア「お兄さん今や『美しき眠りの精霊王子』ですから、そのまま外にでると騒ぎになっちゃいます。イリアが変装して差し上げますわ」
人魚国は結界によっと海の中に沈んでいる王国で、結界の中なら、地上と同じように呼吸ができるところ。
この日、大通りに変な歩き方をする一人の人魚(?)の女性(?)がいた。そう、それはまさに、髪型を変えて化粧もし、方にピエロのぬいぐるみを乗せたメイド服姿のアサクだ。その隣に人魚に成りすましたイリアと、術で姿を消した魔獅子。
アサク「なんで俺が女装しなくちゃならねえんだよ! 不格好だし、下スースーするし!」
イリア(笑いながら)「パンツを履かないからでしょう」
アサク「女のパンツなんてぜってー嫌だ!」
ゴーストカード「こうでもしないと、街中で正体ばれたら、何千何万の人魚の女の子が寄せてきますよ」
魔獅子「さすがにそんな大勢は止められませんな」
アサク「ここ一体どうなってんだよ。空気もすごく濁ってる気するし、風もない、なんか変な感じ」
ゴーストカード「人魚国は昔からとても排外的で、特に同じ幻獣界の百獣国とは敵対関係です。僕も魔獅子も百獣国の民なので、気付かれないようにしないといけません。人魚国は精霊界との関係がとても良いと聞きます。それで、こちらに伝送されたかもしれません」
二人が会話している間に、イリアがすれ違った天使魚と交流し始める。
アサク「魚と話してんの?」
イリア「イリアはすべての生き物と意識疎通ができるのです。かわいい子をみたんら友達になりたくなるんですよ。」
アサク「俺はゴーストカードと魔獅子としか話せねえから」
この時、向かいに何人のメイドを連れて歩く貴婦人らしきの女性がアサクをしげしげと観察する。今にもバレたかとはらはらする二人だが……貴婦人はイリアを眼中にない様子でアサクに話しかける。
貴婦人「あら、ちょっと胸が足りないけど、なかなかじゃないの~あなた、名は何という?どちらの使いなの?」
アサク「お、おそれいります。あ、アクリアといいます。えっと、マダムメールに仕えております」
貴婦人「なんと! あなたのような美人が、あのメールに仕えてるなんて、もったいないわ!」
貴婦人すぐ懐からパールを十個取り出してアサクに渡してこういう。
貴婦人「はい、持って、これは前金よ。すぐあのばばあのところを出て。明日からヴィタリス公爵邸に来なさい」
勝手に言い終わると、パールを手にしてポカンとした顔のアサクたちをお構いなしに、メイドたちを連れてその場を去っていった。
アサク「おっぱい足りないとか……」
イリア「アクリアって……ははははは~女装でもお気に入りされちゃって、すごいですわお兄さん!しかも、デタラメに言ったのに、まさか本当にマダムメールがいるなんて、はははは」
となりにいる魔獅子がもう笑いすぎて腰がぬけそうだ。
アサク「笑う場合か! 大事な任務があるんだぞ! コアがどうなってるわかんないし、ハプ司祭が精霊女王を見つけて精霊界を救えと俺に言ったんだ。メイドごっこしてられるかつうの!」
ちょうどおなかが鳴ったから、近くのレストランが見えて、とりあえず腹ごしらえをしようと店に入った。イリアが天使魚とバイバイして、アサクと一緒に一番目立たない隅っこの席に座ると、メニューに目を通す。
アサク(メシューを見て)「ワンセットでパール一つ!?」
ゴーストカード(すぐアサクの口をふさぐ)「しー、大声出さないでください。嫌なら女王様が用意してくださった部屋にお戻りになれば?なんでも使い放題ですよ」
アサク(プルプルと)「ぜってーやだ。(ちょっと恥ずかしく)まあ女の子にモテるのは悪い気しないけど…」
イリア(一発殴って)「お兄さんのスケベ!」
店員「お決まりですか」
アサク「セットを四つくれ」
店員「お二人でそんなに? 本当にたべられますか?」
アサク「大丈夫。食べられるよ」
店員「かしこまりました。ではパール四つ、いただきました。すぐご用意いたしますね」
食事が運ばれたら、アサクは飲み込むようにパクパクと食べて、ゴーストカードと魔獅子はテーブルの一角にコッソリと食べた。
アサク「俺たちはやく人魚国から出るべきだと思う。百獣国へ行って俺の友人のブラッド国王に助けをもとめよう」
魔獅子「そうはいっても、人魚国では【折畳ノ廻廊】の使用を禁止してるから伝送は無理です。地上の百獣国へ行くのには連結通路を通らなければならないが、もちろん警備がつけてるから、人魚女王の許しがないと通してもらえないんじゃ…」
イリア「それに、何の挨拶もなしに消えるなんて、失礼極まりないことですわ。ここはやはり一度女王様にお礼を申し上げに謁見をした方がいいとイリアは思います。」
ゴーストカード「人魚国と精霊界とは交流がありますが、わざわざ『美しき眠りの精霊王子』なんてマスターの存在を宣伝することに、なにか良からぬ意図を感じます。」
アサク「でもなぁ、戻らないとすると、金を稼がなきゃだな……」
イリア(笑いながら)「お兄さんにメイドになって、イリアたちを養っていただくしかほかありませんね」
ゴーストカード・魔獅子「そうですね」
アサク「なんで俺ばっかりー」
楽しい会話の中で、誰もすでに人魚兵士に囲まれたことに気づかなかった。
人魚兵士「精霊界からきた高貴なる友よ、ご相談があるので王城へと、女王陛下直々のお誘いでございます。」
アサク「あ、見つかっちゃったか」
人魚国王城へ移動する途中でも、熱心のファンたちが道の両サイドを囲んでアサクに“精霊王子さま、愛してる”なんて歓声を上げていた。
夜の人魚国王城にて、案内された正殿では、人魚女王が王座に座っていて、アサクたちの到着を待っていた。二人は一礼する。
アサク「女王陛下、精霊界のアサクと申します。貴国に来たのはその、事故によることでして、どうかお許しください」
ミカナ「わたくしが人魚国女王・ミカナと申す。付き人の二人も、姿を現すがよい」
ゴーストカードと魔獅子は一斉に術を解いて現し、女王に跪いて挨拶を。
ゴーストカード・魔獅子「ご無礼をお許しください」
ミカナ「よい。状況はわかっている。皆のもの、もう去るがよい」
そして正殿には、アサクたちと女王だけが残っている。
ミカナ「わたくしに着いてまいれ」
女王がアサクたちを宮殿にあるガーデンの一角へ連れてきた。
ミカナ「静かに見ておれ、そして何があっても、アサク、わたくしに合わせておくれ」
どういう意味かさっぱりだが、アサクは了承した。
この時、ガーデンに若い女性が歩き出て、上から真っ白な髪をした精霊らしき男が、女性の前に舞い降りてきた。二人は愛情深くに見つめ合い、男が貝殻とクリスタルで飾った花束を取り出して、女性に話しかける。
白髪の男「人魚姫・ユリア、どうか、俺と結婚してくれ」
ユリア(首を振りながら)「フルフィ様、ごめんなさい。婚約はお母さまにお許しを請わなければ、お約束できませんの」
白髪の男(手を引き)「ならば駆け落ちだ!」
ユリア(もう一度首を強くふる)「私もあなた様をお慕い申し上げておりますが、そのようなことは許されませんわ」
フルフィが強引にユリアを連れて行こうとすると、ミカナ女王が影から出た。
ミカナ「この無礼者、娘からその手を離し、今すぐ立ち去れ!」
フルフィ「女王だからって俺が怖気づくとでも思うのか。本気で暴れたら、この人魚国では俺に勝てるやつなんかいないぞ」
ミカナ「さぞ傲慢とみえる。まあ確かに、わが人魚国は、強いおのこを国王にし国を守ってもらう必要があるが」
フルフィ「はは、それって俺たちの婚約を認めるってことだろう?」
ミカナ「国王は実力と美しさを備える随一のおのこでしかなれぬ」
フルフィ「それはそれは、お褒めに預かり光栄だ、女王陛下」
ミカナ「否、その資格があるのは、そなただけではない。最近王国にいらっしゃった『美しき眠りの精霊王子』が、そなたより容貌が優れて、国民に愛されているのだ」
そう言って、アサクが隠れている物陰に指をさした。
アサクは仕方なく出てきて、どうにもかたくるしい感じで言う。
アサク「俺こそ、真の国王になれる精霊王子だ。貴様、俺をみてさっさと恥じ入って消えるといい」
フルフィ「ならばやってみようじゃないか、誰が勝つか定かではないぞ。な?精霊族のアサク」
アサク「! なんで俺を知ってる??」
フルフィ「……」
ミカナ(一度手を叩く)「もうよい、口喧嘩はおよし。女王たるもの、公正公平でなくてはな。ならば、正式に試合を行うことにしよう。勝つほうが、ユリアの夫となり国王になる。」
アサク「なんだって!?」
フルフィ「のった! いつだ?」
ミカナ「三日後、人魚国のコロシアムにて。」
ユリア「お母さま! なぜそのような勝手な約束を……あんまりです!」
悲しむユリアは泣きながら走っていった。
フルフィ「首洗って待ってろ」
そして飛び立って夜の空に消えた。
アサク・ゴーストカード・魔獅子「はめられた……」
女王は静かに頷いて微笑みをみせた。
正殿に戻ると、アサクがトンと床に座り、とても不機嫌な様子だ。
ミカナ「すまなかった。がしかし、それも無礼を承知で仕方なくしたことなのだ。なにせ、人魚国にはもはや幻獣であるあやつを止めるのに十分な力を持たぬからのお」
アサク「幻獣?フルフィのことですか、女王陛下」
ミカナ「いかにも。あやつが幻獣界百獣国『幻化部族』狐の一族のもの。人魚の民は決して百獣国のものと結ばれてはならぬのだ」
魔獅子「今の幻獣界では三大国が均衡の敵対状態にあります。ゴーストカードと自分も、囚われてないだけでも幸いってくらいです」
アサク「でも、人魚国って軍備がそこまで弱まってますか。それに二人が愛し合ってるのなら、別に硬く掟を守らなくても」
女王が立ち上がり、王笏で王座の真上を指すと、天井が突然崩れて、その奥にあるのは……
アサク「鏡返ノ核!? しかももう真っ赤で……すでに震盪が発生した!」
すぐ【不帰ノ羅針盤】を取り出して、巻き戻された時間を測るが、なんの変化も見られない!つまり、人魚国が『逆時震盪』の影響を受けなかったことになるが、ありえない。一体どういうことだろうと、アサクは驚きを隠せない。
その時、大量の魔物がコアから湧き出して、みなすぐ戦闘態勢に入る。その中の一匹が女王に襲い掛かる。
イリア「陛下! 危ない!」
驚くことに、魔物が女王の体を触れることなく、そのまま通ったのだ。
ミカナ「心配ない。精霊アサクよ、この鏡返ノ核を封印してもらえぬか」
アサク「わかりました!」
仲間の援護でコアに近づけて、【聖獄ノ籠】で封印を成功すると、呪縛から解き放ったように、今まで人魚国を覆う濁った空気が一気に晴れた。
再び王座に座り、女王はことの真相を語り始める。
ミカナ「コアが出現したのが半年前のこと。我が人魚国軍隊の総出でも、魔物の軍勢には太刀打ちできなかった。そして、『逆時震盪』が起きたのだ」
アサク「ではなぜ時間の変化が測れなかったのですか?」
ミカナ「それは巻き戻された時間の長さが130年がゆえ。130年前、人魚国はこの深い海の底ではなく、ちょうどここから真上の島にあった。海に沈んだのが30年ほど前のこと」
ゴーストカード「てことは、震盪のせいで130年前の人魚国が今再びそこで現れたってことですか」
ミカナ「そうじゃ」
アサク「じゃ震盪の後…ここは……」
ミカナ「消し去られてしまったよ、なにもかも。今そなたたちが見るすべてが思念体だ。それでも、我々は今もこのように、ここにおる。」
左耳に飾ってる雫の形をした耳飾りを取り、女王は続けた。
ミカナ「これは人魚国の国宝・【人魚ノ涙】というもの。『逆時震盪』の際に引き起こされた全国民の恐怖と悲しみが、【人魚ノ涙】の力を発動させた。」
アサク(悲しむ)「今目の前の女王陛下も、ここにきてから見た人魚たちもみな……【人魚ノ涙】の力によって保存された魂ですね……」
イリアがもうこえずに泣き出している。
ミカナ「心優しき精霊、アサクよ。わたくしは、ユリアとフルフィの愛を、婚約を認めぬわけではない、できぬのだ。そうさせてしまったら、ユリアも民もみな、国が滅んだこと、自分がもうこの世にいないことを思い出してしまう。どうかこの秘密を、守っておくれ」
二人は涙を流しながら頷いた。
ミカナ「芝居でもよい。フルフィを破り、ユリアと結婚し新たなる国王になって、民に希望を与えてやっておくれ。そしたら【人魚ノ涙】も役目を遂げ、人魚国は幸せ満ちる中で消える。これがわたくしの最後の願い、手伝ってくれるかい」
アサクは黙ったまま頷き、イリアが王城に響き渡るくらい大泣きをした……
三日後。
人魚国のコロシアムは人で賑わっている。ほぼ全国の人がここに集まって、人魚の姫君の夫を決める試合を楽しみに待っているのだ。
用意を済ましたアサクはゆっくりと、会場へ続く廊下を通り、コロシアムに入る。
第五章:幸せの微笑み
神説年暦36722年 8月22日 木曜日 午前十時
ほぼ全国の人が集まったコロシアムでは、熱烈な歓声が上がっている。今日の試合で、ユリア姫の夫となる、新たなる国王が決まるのだ。みなの期待の中で、試合が始まった。
アサクとフルフィはリングの中央に立っている。すでに対峙する二人だが、表情から気持ちの差がうかがえる。今にも暴れ出しそうに興奮しているフルフィに比べて、アサクはどこか悲しみを漂う感じだ。アサクが女王に一目をやると、女王が軽く頷いた。その左には泣き止まないユリア姫に、右がイリアが座っている。
法螺貝を吹き鳴らす音がコロシアムに響き渡り、試合開始!
フルフィが手にエネルギーで形成された槍で襲い掛かり、アサクはゴーストカードと魔獅子の力で武装状態で構える。【日輪ノ剣】と【光ノ槍】がぶつかり合い、火花を放つ。一進一退の攻防戦はどちらも譲らない気合だ。この時、フルフィが“光剣魔法”で攻め寄せてきて、驚いたアサクはすぐ左手のシールドで防御した。
アサク「! 見間違いじゃねえよな、あれは俺の光剣魔法だよね?」
魔獅子「はい、確かに、光剣魔法です」
フルフィ「あれ、おかしいな。アサク、お前魔法が得意じゃなかったっけ?なんで剣ばっかり使うんだ?魔法はどうした?」
アサク「う……」
ゴーストカード「マスター! このフルフィ、なぜか懐かしい気がします。きっと僕たちが知ってるものです。」
フルフィ「面白くなってきたな。んじゃ、遠慮なくいくぜ!」
手のひらからどんどん光剣魔法を打ち、同時にアサクに向かって突進して【光ノ槍】を突き刺す!
アサクは右手に持つ【日輪ノ剣】で【光ノ槍】を受け止め、左手に正三星陣魔法を自分に向かってきた光剣を吸収しようとしたが、三発までしか容量がなく、やはり何発はくらってしまった。そして体を捻り三星陣魔法“極光聖破”を出した!この攻撃を予想できなかったフルフィは間一髪でこの攻撃を避けたが、余裕を与えずに続いて【日輪ノ剣】を振って出された“陽輝閃撃”の挟み撃ちについに負傷、慌ててアサクとの距離を引き離した。
フルフィ「やるじゃないか、でも光属性の魔法攻撃は、同じ属性の俺には効果が出ないぞ。吸収での反撃だけじゃ、俺を倒せない!」
そういって、真っ白な長い髪を持つ精霊の少年の姿が歪み、巨大な白いキツネと変身した!そして周りに同じく白いコギツネが何匹も一緒に現れた。
アサク「うっ、俺キツネ苦手なんだけど……」
コロシアムに悲鳴があちこちから聞こえてくる。人魚国の人たちが逃げ回り、愛する人が異形のものに変貌したのを目の当たりにしたユリアは恐怖で戸惑っていると、これそこがフルフィの真の姿だと女王に告げられ、騙されたと思わず涙がこぼれる。
巨大な体と尾を駆使して攻撃してくるフルフィ。魔法による攻めも止まらず “星雲貫通銃”を出した時、アサクはゴーストカードと魔獅子を離して、両手同時に正三星と逆三星陣魔法を発動し、フルフィが放つすべての光の矢を吸収した。
空中に高く飛んで、両手の手のひらを合わせて、左には正三星の陣、右には逆三星の陣、天地印結!両手の陣魔法が一つになり、光の六星陣魔法を放つ!!
アサク「霸・極光殺陣!!」
全方位からの光剣がフルフィに襲い掛かった。同じ属性だと効果が弱まるが、無数の剣陣でフルフィがバランスを崩したそのすきに――
アサク「こい!【日輪ノ剣】!」
ゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を右手に握って、フルフィの頭の上に飛び乗り、剣のさきを脳天に打ち込みとする時、魔獅子が突然アサクを止めた。
アサク「魔獅子?」
ゴーストカードも変身を解けてアサクにやめるように願った。
アサク「なんで止めるんだ?」
ゴーストカード「フルフィが誰なのか、まだわからないのですか、マスター」
その時、力尽きたフルフィが倒れて、本当の姿――一匹の小さな白いキツネに戻った。
イリア「かわいいですわ!」
ユリア「その姿なら、いいかも……」
女王の睨みで二人はすぐ口をつむいだ。
フルフィ(アサクに跪いて)「強きものに従いしもべとなりて、われここに契約を結ぶことを誓う」
そしてフルフィの体が無数の光の粒子になり、アサクの手のひらに集中すると、ゆっくりと槍の形になった。
アサク「これは…【光ノ槍】だ! 俺が小さな頃に失くしたあの【光ノ槍】だ!」
【光ノ槍】を高く掲げて勝利のポーズをすると、コロシアムに喝采が沸いた。
ミカナ「これにて、アサクを我が国の新たなる国王、わが娘・ユリアの夫となる。さあ、みなのもの、祝言の用意じゃ」
夜、用意された部屋で休むアサクたち。
アサク「あの時、精霊界の『嘯きの谷』から人魚国に流されてたんだ。で、震盪の影響で【光ノ槍】の封印が解かれて幻獣の姿を取り戻したあなたは、ユリア姫に一目惚れして、精霊に成りすまし恋人になった。」
フルフィが黙って頷く。
イリア「だからユリア姫を連れだして、最後くらい幸せになってほしいと思ったのですね。」
フルフィ「……(泣き出す)」
アサクがフルフィの手を取って言う。
アサク「あした、一緒に人魚国を幸せにしよう」
アサクの言葉を聞いて、フルフィは我慢できずに大きく泣き出した。
イリア(フルフィを抱きあげる)「泣かないで、よしよし、フルフィ、イリアとお友達になりましょう」
翌日、盛大な婚礼が行われた。華やかなヴァージンロードを歩くアサクとユリア。傍らにいるイリアの笑顔が、なぜか少し引きつっていた。
女王自らアサクに栄光ノ指輪を付けて、新しい国王の誕生を告げる時、人々は楽しい歓声を上げながら、満面の笑みでありがとうと言い、一人また一人、ゆっくりと消えた。女王がアサクの手を、ユリアがフルフィの手を握りしめ、微笑んで感激を伝えると、耳に飾っている【人魚ノ涙】がひび割れ、二人もゆっくりと姿が消えてゆく。完全に消える前に、女王がアサクにこう言った。
ミカナ「130年前のあの人魚島へ行くがよい。王座に隠してある【人魚ノ涙】を探したまえ。それは幻獣界三大神器の一つ、必ず探し出し、わたくしに届けておくれ」
アサク「届けるって、どうやって??」
女王に聞こうにももう完全に消えて、人魚国にはもう生気が少しも感じなくなって、結界が消滅するとともに、海水が入ってきた。
アサク「ヤバい! 城が水没しちまう! とりあえず地上に逃げよう!」
ゴーストカード「結界が消えたから【折畳ノ廻廊】もう使えるはずです!」
イリアがすぐ【折畳ノ廻廊】を使い、みなを伝送した。
神説年暦36722年 8月24日 土曜日 午後三時
震盪によって再び出現した130年前の人魚島に到着したアサクたち。コアがもう封印されたので、大して強い魔物がいないし、雑魚を片付けていくと、王座の下に【人魚ノ涙】を無事見つけることができた。
アサクは【人魚ノ涙】をペンダントにして、フルフィにつけた。彼はペンダントを握りしめて涙をこらえながら誓う。
フルフィ「……今度こそ、必ずユリアを守って見せるよ」
指に付けられてる栄光ノ指輪をみて、アサクが呟く。
アサク「俺、結婚しちゃったんだな」
イリア(心)「本当に結婚したわけではないのに、なぜかお兄さんが取られた気がします。イリアが落ち込む理由なんか、ないはずのに、この気持ちは……?」
イリア(涙目でアサクに抱きつく)「イリアはずっとお兄さんと一緒にいます。イリアを一人にしないで」
アサク「? どうした? 大事な妹を置き去りにするはずねえだろう。よしよし」
イリア「イリア、お兄さんが大好きです。お兄さんのお嫁さんになるのはイリアだけですよ!」
アサク「え?」
一瞬、沈黙の時間が流れた。
話を変えようとゴーストカードが言う。
ゴーストカード「これからどうします? マスター」
アサク「俺がエデンの村に向かう前に、すでに妖精界の時間図書館で『逆時震盪』が起きていた。そして、今回の人魚国、正直ショックだよ……妖精界の現状が気になる。だから妖精界へ行こう、もしかしたら時間図書館でなにか新しい手がかりが見つけるかも」
一同「うん!」
【折畳ノ廻廊】を開いた。アサク、イリア、ゴーストカード・ウダ、魔獅子・サモエドに新たに加えた幻狐・フルフェ、一行が次なる目的地・妖精界へ向かう。
第六章:矛盾たる真義宝典
神説年暦36722年 8月28日 水曜日 午後七時
アサクたちが妖精界に到着するものの、妖精の森に迷い込み、どうしても妖精王国にたどり着けない。
アサク「妖精界の結界って厄介だな、まるで迷宮みてぇだ。どう歩いても出れねえし、【折畳ノ廻廊】で直接伝送もできない。これじゃいつまでたっても時間図書館にたどり着けねえぞ……」
新しくできた友達のガガ鳥を肩に乗せて、イリアも疲れた顔でいう。
イリア「もう歩けません……少し休憩しましょうよ、お兄さん」
フルフィ「腹減ったー」
アサク「しかたない、キノコを採ろう」
フルフィ「ええ~来てからずっとそれじゃん……」
その時、おいしい匂いがどこから漂ってきた。たどってみると、池の近くに美味しそうな鍋が出来上がっている。
アサク「いい匂いだ!」
フルフィ(マイ食器を取り出して)「準備万端! 食べよう」
アサク「持ち歩いてんのそれ」
フルフィ「みなの分もあるぞ~」
ゴーストカード「盗み食いはよくありません……」
イリア「ひ、一口だけなら、大丈夫ですよね、本当にいい匂い……」
魔獅子は何も言わないが、腹の虫は誠実だ。
おいしい匂いの誘惑に負けて、みなにして “おいしい、アツアツ”と言いながら食べ始めて間もなく、一人の巨漢の怒鳴り声が響く。
巨漢「こら! 盗み食いめ!」
が、アサクと目が合う瞬間――
アサク「カーバン!」
カーバン「アサク!」
二人は古き友と久々再会した嬉しさに抱き合った。そしてゴーストカードと魔獅子にも。
カーバン「まさかまた精霊の守り神たちに会えるなんてな。会いたかったぞ!」
イリアも嬉しくてカーバンに抱きついた。
イリア「これ、カーバンさんが作った野原スープだったんですね!通りでおいしいわけですわ~」
アサク「無事でよかったよ~カーバン」
カーバン「俺先月に火族製錬師の修業を遂げるための素材集めをしに、精霊界から幻獣界に行ったんだ。帰ろうとしたら精霊界が丸々消えた感じでなぜか帰れなくて、連絡しようにも手段がないから、妖精界で何かわかるかもって思って。そんで今食いしん坊のお前らと会ったわけだ。な、精霊界に一体何があったんだ?」
アサク「……カーバン、落ち着いて聞いてくれ」
そしてことの顛末の説明を聞いたカーバンが、力が抜けたように座り込んで、またすぐ起き上がってアサクの胸元を強くつかむ。
カーバン「じゃあみんなは? 他の精霊たちは今どうなってる??」
アサクはカーバンの手が離すようにつかんで、俯いてゆっくり口を開く。
アサク「無事脱出した人がどれくらいいるかわからない。今のところ、俺たちが会えたのは、あなただけだ……」
カーバン「……くそ!」
悲憤に満ちたカーバンの拳は、一発で軽々しく森の木々を殴り折った。
ゴーストカード「カーバンさん、どうしたら妖精王国に入れるかわかりますか?」
カーバン「知ってる。でももう日が暮れた。妖精王国を覆う結界が夜になると無限ループの迷宮になる。王国へ続く道は昼でしか現れないから、日が昇るのを待つしかない」
イリア「本当に迷宮だったんですね。お兄さんが方向音痴だからとばかり思いました」
フルフィ「待つしかねえんだろ?明日のためにも今は腹ごしらえして休もう」
アサク「そうするしかないようだ」
魔獅子「みなさんは休憩を。夜番は自分に任せてください」
カーバン「そういえば、この白いキツネって誰だ?」
アサク「幻獣になった【光ノ槍】だよ」
カーバン「ええ~~、ちょっとアサク、お前、まだ何か隠してねえか?」
アサク「横になりな、ゆっくり話すよ」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午前八時
朝、アサクとカーバンははっきりと目の下にくまがついてる。一晩中人魚国の出来事をしつこく聞いて、二人とも一睡もしなかったのだ。
ゴーストカード「お二人さん、一晩中ずっと話し込んでてうるさかったですぞ」
魔獅子「同意」
アサク「しつこく聞いてくるカーバンが悪いんだぞ」
カーバン「だってさ、まさかアサクが結婚するとはな、人魚国の国王にまで……それに、あんなのあんまりだよ……」
アサク(軽く肩を叩く)「丸一夜感傷に浸っててもういいだろ? はやく妖精の村に連れていってくれ」
荷物をまとめて、カーバンに続いて森に入り、しばらくして、一つの吊り橋に着いた。
カーバン「この先が妖精の村だ」
村に入ると、そこにはもうひどい光景になっている。
妖精界の東北方向、つまり時間図書館が位置する方には、険しい炎が燃え上がっていて、どうやら魔物が出てこれないように囲んでいるらしい。城下町あたりが戦闘の跡がみられるが、幸い損害が大きくないようだ。
村の妖精たちはみな疲れた様子で、その中に怪我人もいる。アサクをみると、すぐ慌てて知らせに人を出した。
村の妖精「早く女王陛下にお知らせを! 精霊界のアサク様が来てくださったぞ!」
一人若い妖精が駆けてきてアサクに話かける。
若い妖精「アサク様、待ってました! 早く王城にお越しください。女王陛下がお待ちです」
アサクたちが妖精王城に案内され、妖精女王・ルナミアに謁見することになった。
途中に見る正殿がひどく損傷であちこちボロボロになっていて、妖精女王もひどい怪我を負い、寝室に寝込んでいる。寝台のすぐそばまで案内されると、女王に付き添う侍女の一人が、カーバンに飛び込んで泣き出した。
カーバン「俺たちが来たからにはもう大丈夫だ、サナ、心配するな」
アサクとイリアはもう一人の侍女の傍に。
イリア「サヤお姉さん、大丈夫ですか。」
アサク「事情を説明してくれ」
サヤ「二ヶ月ほど前、時間図書館の中央ホールに見たことないコアが現れ、たくさんの魔物が出てきて……女王陛下がすぐ兵を向かわせたんだけど、翌日に急に強烈な震波が起きて、図書館一帯の景色が変わったし、そこにいたはずの人々もみなどこかに消えて……それからすごくでかい岩石巨獣が図書館の外壁に登り出ると、まるでそれが合図みたいに、魔物が外に拡散して周りを攻撃し始めたんです。村がもちろん、王城も免れなくて、最後に女王陛下が古代神器【火竜ノ斧】を異変の境界線に刺して炎ノ結界を張ってやっと、魔物を閉じ込めることができました」
サナ「境界線を越えた魔物を辛うじて退治したけど、それで女王陛下に怪我を負わせてしまいました……守り切れなかった私たちが悪いんです……私……」
そう言ってサナまた泣き出す。
アサク「今すぐ時間図書館に向かって魔物を消してくるよ。でもあなたたちはついてくるな。逆時震盪の影響を受けないのは精霊である俺たちだけだから」
その時、妖精女王が目を覚ました。侍女の二人はすぐ女王の傍にいって、起き上がるをの支えた。
ルナミア「精霊界での出来事はもう、夢を通してすべて知った。これは巨大なる陰謀である。敵が時間図書館を狙った理由は歴史を歪ませること。おそらく図書館で巻き戻された時間の記録は消えてしまったのだろう。どうかそこにある【真義宝典】を探し出して、わらわに届けてほしい。まだ修復できるやもしれぬ」
サヤが一つの水晶玉を取り出してイリアに渡した。
サヤ「この水晶は君たちがいるところの様子を映してくれます。これで【真義宝典】を探すのを手伝います。」
イリア「水晶でこんなことができるなんて、すごいですわ」
アサク「一刻も争う事態だ、出発しよう」
サナ「ご案内いたします」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午後十二時
みなは【火竜ノ斧】を刺したところまできた。
サナ「一緒に入れないから、私はここまでです。どうかお気を付けて」
カーバンが【火竜ノ斧】に向かって言う。
カーバン「カイネ、お前まだやれるか?」
が、【火竜ノ斧】からなんの返答もない。
カーバン「どうやら炎の結界に集中してるらしい。邪魔しないでおこう」
アサク「でも、どうやって入るんだ?」
カーバン「俺は火の精霊だぞ、任せろ。 (両手を前に掲げて)陣防術・赤焔ノ壁」
カーバンがそう唱えると、火で構成された壁が結界の炎をかき分けて、時間図書館まで道が現れた。
【不帰ノ羅針盤】で測ってみると、なんと、1500年もの年月が巻き戻されたのだ。
アサク「1500年も? なんでそんなに昔にまで……とりあえず今は、中にあるコアを封印して魔物を消すのが先だ。いくぞ!」
火の道を通り、無事にホールまで着いたが、やはりそう簡単にはいかず、図書館の外壁にいた岩石巨獣が、魔物をつれてコアを守りにまた戻ってきた。
ふと気づくとイリアの隣が三尾猿になっている。
アサク「友達変えるの早すぎだろ」
イリア「ガガ鳥は火が苦手なんです。だから三尾猿に付き合ってもらうことにしましたの」
アサク「逆時震盪した空間に入って無事でいられるのは俺たち精霊だけなんだろ。なんで三尾猿を連れてこれたんだ?」
三尾猿がなぜかイリアと同じ淡いピンクの光を発している。
ゴーストカード「僕と魔獅子がこの空間に入れたのは、マスターとの主従関係でマスターの精霊の力で守られているからです。今三尾猿もイリアさんと主従関係になったから、同じように守られていますよ」
イリア(三尾猿を抱いて)「怖がらなくてもいいですよ。イリアお姉さんが守ってあげますわ。一緒に冒険しましょう」
アサク「あっそ。早いとこ用事を済ませようか。イリア、あなたはカーバンと水晶玉を持って【真義宝典】を探してくれ、戦闘中に壊れたりしたら大変だ」
カーバン「おう。イリアちゃんを俺が守る。任せろ」
そして魔獅子を召喚して魔装に変身させて防御を整えるが、ゴーストカードが【日輪ノ剣】に変身できない。
ゴーストカード「図書館の中では日の光が弱すぎて変身できません。このままフォローにまわります」
フルフィ「じゃ俺が!」
そういって【光ノ槍】に変身。槍を手に持つアサクは一振りして嬉しそうに言う。
アサク「この感覚、懐かしいぜ! 一緒に戦うのも久しぶりだな。星雲貫通銃!」
すぐ技を出して岩石巨獣と戦い始めた。
一方、イリアは水晶玉を通し、サヤの誘導を頼ってカーバンと一緒に【真義宝典】を探す。邪魔する魔物を、カーバンは図書館の土属性を利用して“陣防術・石屑爆撃”で打ちのめし、やっと宝典にたどり着けたが。なんと、コアの出現場所が、宝典の真上だ。
カーバン(叫び)「アサク! 宝典を見つけたぞ! コアもここだ!」
三尾猿が隙を見て宝典を取り出して、イリアに渡した。襲い掛かる魔物はカーバンが相手している。
岩石巨獣との戦いがどうもうまくいかない。防御が硬すぎて、傷一つまともに与えられないでいるアサク。
アサク「かたっ!これじゃ倒せそうにないぞ」
フルフィ(半泣き)「いたたた! 壊れる! 俺壊れちまうよ~~」
岩石巨獣の強力な一撃で、アサクとゴーストカードがぶっ飛ばされた。
魔獅子「マスター、申し訳ございません。もう…」
言い終わらないまま、魔獅子の変身が解けてしまい、地に転んで、傷だらけになっている。
アサク「倒せないなら策を変えよう。動けないようにして、先にコアを封印すれば、こいつも消えるだろ!」
フルフィ・ゴーストカード「どうやって??」
ゴーストカード「あっ! (フルフィをみる)光をください!」
フルフィ「! なるほど! その手があったか!!」
ゴーストカードが【光ノ槍】からの強い聖光を浴びて変身し、融合して【天斬のエクスカリバー】となった。【天斬のエクスカリバー】で岩石巨獣を射ぬいて壁に釘付けた。
魔獅子に乗ってコアのところに駆け付けて、【聖獄ノ籠】で封印すると、魔物が一斉に消えた。やっと一件落着と放心して、みんな力尽きで地に倒れた。
妖精王城に戻り、宝典を女王に渡すと、女王は妖精界の生き残った記録士を集めて、過去1500年分の歴史を再び宝典に書き込んだ。が、そこに一つ重大な矛盾を、女王は気づいて、すぐアサクたちを呼んだ。
ルナミア「この世のあらゆる命・物・出来事を記録している【真義宝典】は、間違いはないし、不足もあってはならない。だが……」
アサク「どうしましたか?」
ルナミア「……そなたに関する記述が、一切ないのだ。つまりはアサク、そなたがこの世に存在しないことになる!」
まるでこの言葉を合図のように一瞬周りの空間が歪みだして、それが消えた時には、人々の顔色が何やら違うように見えた。
サヤ「あなた誰ですか! 勝手に踏み入れるなど許されませんよ!」
サナ「侵入者がいます! はやく女王陛下をお守りください!」
ルナミア「この無礼者、わらわの寝室とわかっての所業か」
アサク(慌ててカーバンに)「俺のことわかる??」
カーバン「もちろん」
アサク「イリアは?」
イリア「大好きなお兄さんを忘れるわけありませんよ」
アサク(魔獅子・ゴーストカード・フルフィに)「あんたたちは??」
魔獅子「覚えてます」
ゴーストカード「覚えていますよ」
フルフィ「覚えてるぞ」
アサク「じゃあ、いったい何が……」
女王を守るべく妖精の禁衛軍が駆け付けて叫び出す。
妖精兵士「侵入者を捉えろ!」
カーバン(サナに向けて)「俺のことわかるかい?」
サナ「? カーバンさんでしょう? あなたとイリアちゃんがいてくれたおかげで、コアの魔物を退治できましたわ」
カーバン「どうなってる? そうじゃないんだ、こいつが俺の仲間のアサクだぞ??」
ゴーストカード「とりあえず逃げましょう、マスター」
奇妙な状況で仕方なくカーバンとイリアをその場に残して、魔獅子がアサク、ゴーストカードとフルフィを乗せて窓から寝室から逃げ出した。魔獅子の背に乗って逃亡するアサクは、複雑な気持ちで遠く眺める。
アサク「それじゃ俺は、誰だ?」
to be continued~
google play 圖書『アサク伝X真龍の魂』
我唯一的守護者八大 在 你(妳)好,我是莎拉。 Facebook 的精選貼文
[我的罷工日記](個人拙見)
沒想到罷工真的開始了。
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這十幾日輪班坐在我的公司運航大樓大門前、工會搭起的棚子底下,有時輪到夜班還要準備蓆子睡在柏油路面上(相當新奇的經驗),風吹日曬雨淋偶爾蟑螂襲擊,對比一邊公司那棟灰色大樓內的看似如常(但我知道裡面所有內勤人員一定為我們的事情忙炸鍋了),心底總是有一縷怪奇:我究竟在做什麼?
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突然地,早班想睡起不來最不想進的公司、長班前難以跨出家門好想留在家最不想進的公司、年度複訓考試壓力太大想就此消失不見最不想進的公司⋯⋯,就這樣聳立在眼前卻就是想進也不能進。我們在一個層面上已經變成相互憎恨的仇敵似的,不再是從前對外形象營造出的「家人」樣貌。
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面對外界「不爽不要做」的聲浪質疑,我必須很誠實地說,以台灣的物價水準而言,我的薪資水平的確相對高及穩定,人才會喊出這樣的幹話(真的是幹話,因為很幹自己做牛做馬賺得比空姐少,她們還膽敢罷工)。但氣憤之餘,往深一層想,「不爽不要做」其實是薪水較我低的人的對於難以翻轉階級的深深無力感;亦是薪水較我高的人對我們職業的一種隱晦鄙視,認為我們的能力就是只值這樣的薪水。
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所謂世間正義,很直白地說,就是關於資源分配的公平性。
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酋長是神的化身,帶領族人打贏另一個部落,分配戰爭成果的時候,自然最好的東西、最美的姬妾,要分給酋長,其他勇士按照割下敵人的頭顱數來決定拿多拿少——這是原始社會的資源分配。
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學校選拔模範生到教育局領獎、接受表揚。除了考量該生的學業狀況,人品性格、家庭背景(是否在困苦環境下依舊孜孜不倦)、甚至是人際關係都會被納入評估之中。進到現代社會,除了「成績」這樣直接的證據以外,我們逐漸開始重視一些難以數值衡量的人性品德,期待有「完人」現世——這是我們脫離動物本性,啟蒙過後的資源分配。
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特別為身心障礙人士保留的停車位、補助、費用減免,是為補足他們先天或後天造成的社會不適性,卻依舊尊重及肯定他們身為人的價值,所給出的平衡優待;位於城市精華地段的古蹟是否要為了蓋億萬豪宅而拆遷;為保育台灣原生種動植物,比如雲豹好了,政府該投入多少經費致力復育,還是反正不關我事應該把錢拿來大家發大財⋯⋯這些所有,都是資源分配,也就是公義的本質。
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很遺憾的是,現代科技還無法令我們感知到他人的疼痛,即使醫生問我一到十分幾分痛,我說五分,隔壁的病患也說五分,但我面有糾結,他卻看起來老神在在,我們也無法跨職業別地說因為我比護理師(大家最愛鼓吹他們才該罷工)還累、還辛苦、還血汗,所以我罷工。因為跨職業別本來就無法比較,就像我們沒有人可以衡量是踢足球累、還是打籃球累,是長跑累、還是短跑累;而職業的薪資計算標準即使和身體操勞相關,卻不是絕對。各產業別的薪水計算有其神秘廣大的市場供需原理(單位產值、勞動力再生成本、隱形的心理成本、物價高低、員工學養基礎⋯⋯),一般勞工僅能依循常識,及最簡單的和同產業從業人員的比較,來獲知自己是否有遭到剝削的可能。
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而也正因為如此,我們在為自己的工作爭取任何權益的時候,和別的產業,比如大眾呼喊最該罷工的醫護人員,其實根本沒有比較的立論點,因為本就建立在不同的基礎上。我們每個人,都只能為自己的權益負責。
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曾在某論壇底下一篇發表對於我們罷工心得的文章回覆中,看到一位護理師留言,由於該心得的結論亦是:「妳們怎麼不去跟比妳們累的人比,醫護人才該罷工吧!」護理師似乎再也不想看到自己的職業一直被拿出來鼓吹比較,便留言道:「我們的產業特殊不能罷工已經很可憐了,拜託不要再拿我們出來說嘴,不希望我們那麼辛苦,麻煩病人自己提升素養或是家屬動手幫忙,不要因為醫療廉價就把我們當傭人使喚。真的是累到每天都在祈禱健保倒耶!」
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當人人都以「不爽不要做」做為就職與否的唯一標準,其實也掉入了這座過勞之島雇主最愛的邏輯誤區,只要雇主尚且找得到人力替代,勞工就成免洗筷,我們誰也沒辦法更好,只能比爛。即便勞工在工作中培養出經驗與價值,老闆只要一句「不爽不要做」,勞工就被一二三木頭人,只能定格或是砍掉重練。
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有些人會將求職美化成自由市場機制,此處不留爺自有留爺處,勞工有能力就該自己移動到更優待的地方,不然就等著被淘汰。但若是我們的勞動力被自由市場機制化了,全面廢除勞動基準法,各位請以自己的本事博得雇主喜愛,會發生什麼事?沒有保障的最低工資、沒有限制的最高工時,除非這是一座佛心之島,時薪三十、四十幹不幹?隔壁公司時薪二十五,老闆已經佛心來著⋯⋯就會發生這種遑論勞權,根本連人權也談不上的事,勞工的自由是假自由,人或許也會為了生存而愈發輕賤自己。
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在勞資關係中,勞工本就是相對弱勢的一方。若勞工認為自己遭到不公對待的唯一選擇只有「不爽不要做」,我們是否也等於給了老闆無限秀下限的權力?
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在自由主義浪潮橫掃的現代,我們尚且保留勞基法、環境保護法、文化資產保存法⋯⋯,不希望一些也許對於絕對利益、絕對自由無益的事物消失,就是我們對身為「人」這件事有深刻的反思。所以我們會以理性去探討公義、會希望心裡難以言喻的惻隱能被重視。且勞動基準法居然稱為「基準」,就該僅是我們社會公約待人處事的底線,沒有違法只是剛好而已,願意多給的才能算是真正對勞工價值的肯定。
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但現如今有多少雇主以自己「沒有違法」為樂、為人人都該謝主隆恩的依據,我想各位勞工應該心有戚戚。
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許多人不能接受我們的訴求,將我們貼上貪婪標籤。在此我想以我同時身為空服員及工會會員,投下罷工贊成票、實際加入罷工行動,闡述個人對整起事件的理解。
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首先,我想先將八大訴求粗分為三組:薪資組、飛安組、管理組。
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談錢最難,我們就先從難的來處理好了。
·
與薪資組有關的訴求有三:人人琅琅上口也是公司緊咬不放的日支費一百五合流禁搭便車、國定假日出勤兩倍薪、除有語言需求航班外,各航班派遣外籍組員人數不超過兩人。
·
許多人質疑工會這一百五十元是怎麼算出來的。我身為一介沒有金融財經背景、數學程度到二元一次方程式就舉手投降的勞工,還真不知道這是怎麼算出來的。但是,我至少會用計算機。
·
據我們和台灣另一間國際航空公司的友人私下比較,我的公司和友航空服員的薪水,一個月至少可以差到一至兩萬,而且職級越高差距越大。相信存有「不爽不要做」之心的人在這裡會炮轟一句:有能力就跳槽啊!
我考過友航,我的許多同事也考過。而自我的公司開航以來,從來沒有友航空服員跳槽過來我的公司,我們過去友航的人倒是不少。往年我的公司在友航招考空服員的日子,總要排上大量待命人力,因為去考的人實在太多。幸好友航的人力資源變動率小(福利較佳之故),一年頂多悠悠地招個一期,有時還不招。而我們完訓上線後需與公司簽訂至少三年契約,沒有做完即離職要罰款十五至二十萬,所以我們私下時常玩笑說我的公司表面是航空公司,實則是空服員補習班,替其他航空公司訓練好了收補習費(罰款)再送給人家。
·
很抱歉的是,我沒有考上友航。但這代表我能力比較差嗎?我想實則不然。
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國籍空服員遴選標準除了多益五百五十分及身高一百六十公分以外,基本沒有具體的其他事項可以參考。我有位同事天生菸酒嗓,長相甜美但一開口像昨晚去錢櫃唱歌徹夜未歸,照樣神秘地考上。且我的公司屢屢獲獎怎麼解釋?雖然這是所有部門上下齊心的結果,不只是空服員,不過不能否認我們也確實傾盡了自己一份心力。
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我聽到許多旅客說,不知道為什麼,一上你們的飛機就能馬上有回家的感覺。所謂的「家」,絕對不是靠形式顯擺出來,而是因為有令人安心的人在身邊之故。
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而我的公司主管在協商會議上主打「日支費是餐旅費」的說詞,問:是哪一站的吃飯錢讓妳們覺得不夠用?比如紐約、巴黎物價較高,看似釋出善意說願意逐站調整。
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據我所知,空服員的薪資計算方法基本分為兩種:一種是像我的公司及友航一樣,除了底薪、飛時加給(以實際的飛行時數計算一個小時多少錢,像是便利商店打工的時薪一樣),以及俗稱吃飯錢的日支費(我的公司從報到時間算錢到降落後一小時,一小時九十元新台幣;友航從飛機引擎開算到引擎關,一小時五鎂。我的公司的計算方式每趟會較友航多三個小時)。
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一種是如新加坡、香港、中東的航空公司所採用的,一樣有底薪、飛時加給,但日支費卻是實際在每個外站發放當地貨幣,依入住的飯店餐點一餐多少錢、停留期間能吃到幾餐,來計算核發多少餐費現金。這種方式的日支費就實在是吃飯錢了。但若上述航空公司的底薪、飛時加給和國籍航空一樣的話,這些空服員的薪水還會比我們少上許多,但我們都知道他們的薪水又較我們更高,其貓膩就在於這些外國航空公司的飛時加給非常高,依職級不同,可以是國籍航空的兩到五倍。
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上述兩種薪資計算方式沒有優勝劣敗,只要不虧待員工便好。但可以簡單得知國籍航空所使用的第一種,是比較簡單的方式,公司不用換錢承受各個外站的匯差、物價不同,每個月用統一標準把錢發下去,空服員自己到外站愛怎麼花就怎麼花。所以即便名目是日支費,這個吃飯錢卻實在是我們薪水的一部分。比較特殊的是,因為名目是日支費,所以這筆錢並不扣稅,國籍空服員的薪水中只有底薪和飛時加給會扣稅。
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當我的公司主管在協商會議中說「是哪一站的吃飯錢讓妳們覺得不夠用」時,本身就陷入了邏輯矛盾。且若是依各個外站不同調整日支費,那麼日支費高的航班一定會造成貪心公主們熱烈搶奪,對不飛長程航線的空服員來說更是極度不公。這樣主管的說詞又陷入了第二層矛盾,因為公司是以「同工不同酬」會影響機內士氣為由,反對「禁搭便車」條款的。
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然而,弔詭的是,同工不同酬的現象早就在我的公司空服部門行之有年。
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忘了從哪一年開始,經濟艙空服員開始接受短程航線的商務艙服務訓練,基本上有經濟艙半年以上資歷的空服員,都會被召回公司進行訓練。完成短程航線商務艙服務課程的經濟艙空服員,我們稱作CAE,在短程航線時就可以到商務艙去工作,不過只能負責外場,內場廚房還是要由真正的商務艙空服員負責。
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這麼做的理由很直白就是用較便宜的經濟艙人力,去補較貴的商務艙人力。因為這些CAE並沒有因為多了一項技能而有較多的薪水,她們與真正的商務艙空服員之間薪資有落差,負責的又是較原來經濟艙更精細的服務內容,但一樣領經濟艙空服員的薪水,這種差異不啻是一種白嫖。
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當我的公司以擔心薪水不同會造成空服員團隊合作不佳為由,緊緊咬住無法接受禁搭便車條款之際,沒有想到的是,空服員們即使同工不同酬,還是團結地為公司屢創佳績,甚至團結到兩千多人寧可手牽手去罷工,整日沒薪水、睡路邊、接受各種謾罵也緊密在一起。
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若公司真的這麼擔心影響士氣,反而應該加倍鼓勵我們趕快上車,而不是禁搭便車啊(開玩笑)!
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至於國定假日兩倍薪,與其說是又要效法友航,不如說是更好地增加我們上班的誘因。
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由於空服員的工作性質特殊,有不能中斷的越洋航線,所以我們須與雇主簽訂勞基法84-1條。這法條也同時令我們不受勞基法對一般勞工例假、休假、最高工時⋯⋯的限制與保護,須另行與雇主約定這些內容。但我們在簽下這個約定書的時候,公司只是請我們簽名,卻沒有與我們「另行約定」,然後就裝傻當我們全盤接受國定假日沒有兩倍薪、工時可以全部超過十二小時這些一般勞工享有的保障。
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連續假期是航空業最賺錢、亦是所有一線服務人員最操勞的時期。在每逢佳節倍思親的時刻還要工作雖是空服員都知悉的事實,但簽下了勞基法84-1條,並不代表公司不能以慰勞特殊時刻的辛勤為由,依舊照一般勞基法給我們兩倍薪資。況且,過去要是公司肯給我們談的機會,我相信所有空服員都會希望自己放棄與親朋好友相聚的時刻,能夠獲得一些補償。
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曾有位同事自嘲某年過年期間剛好上班次數較多,被朋友笑是「搶錢」,因為一般民眾都以為我們過年上班能賺到較平時更多的錢。不過我們其實整個過年期間,只有除夕到初二上班能領到一個六百元的紅包,一天一個,三天都上就是最多一千八百元。端午連假、二二八連假⋯⋯不論連幾拉幾,則連個屁都沒有。
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有些人在心裡天秤的激烈搖擺下,也不願請假好像自己沒有一點職業道德似的,所以選擇將自己的年假,擺在國定連續假日上。但在這類需要大量人力的國定連續假期,不是不能放年假,而是能放的人少之又少,要大半年以前就用大學時代搶熱門通識課之姿,起早趕晚地守在電腦前去搶那寥寥數個公司願意開放的名額。若開放搶假的時段正好在上班,則是連搶的一絲機會都沒有。
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在這種情況下,有時情感價值大於實際薪資,我們會想乾脆請假算了。畢竟我們也是活生生的人,若是只以責任制為教條來規範我們在國定假日工作,誘因未免太小,也顯得是雇主過於冷漠了些(老闆們不能沒違法就高潮啊)。
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其實機內還存有一種同工不同酬,這也是我最不願說的一項。不過為了解釋為何工會主張「除有語言需求航班外,各航班派遣外籍組員人數不超過兩人」這項訴求,我還是必須說明,在我的公司,日台泰越四種國籍的空服員,其實薪水會依所屬國籍的物價水平調整。
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我的公司的空服員薪資高低,也是以日台泰越為順序排列。
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若台籍空服員罷工後確實加了薪水,難保我的公司不會大量起用泰籍及越籍組員,變相打壓,使我們「看得到吃不到」,工會才會在加薪的訴求後一同綁入這項訴求。
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當我知道原來我們空服員的薪水依國籍不同而有差別的時候,我其實很難過。除了薪水比台籍還高的日籍外,那些離鄉背井來台灣工作的泰籍及越籍,也做著和我完全相同的工作內容。雖然這是全球化沒有辦法避免的狀況,資本為了擴張會去尋找更便宜的成本,但當這些人的臉孔不再模糊,是實際和我一起並肩作戰的同事,還是會有些心疼油然而升,盼望世界大同、盼望至少人的價碼可以平起平坐。
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接下來我想先來說最容易解釋的飛安組訴求:東京、北京、金邊、瀋陽、呼和浩特⋯⋯等九條易超時航班改過夜。
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或許有人會質疑為何飛安這項運輸業最重要的價值,在工會訴求中的佔比居然這麼低,只有八分之一,啐一句:貪婪,就欲轉身離去。
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但細細琢磨,飛安訴求佔比低其實是對我的公司的讚許,因為公司本來就將飛安把關地相當嚴密。若是知道我的公司空服員每年關於飛安的年度複訓有多令人頭皮發麻、演練飛機迫降的緊急逃生程序有多逼真,而空服員是守護飛安的最後一道防線,前頭還有機師、機務,及其他我不知道的公司同仁們的協力相助,就能明白我的公司在關乎飛安的每一個環節上都付出超然的努力,只剩這條易超時航班的漏網之魚還令我們無法做到滴水不漏。
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我的公司提出給服勤易超時航班一趟一百五十元(是一「趟」一百五十元,來回算一趟)的飛安獎金,以及派自願的空服員包月專飛,且每月多給六至十天休假(咦,同工不同酬?)這樣的應對方案,會遭到工會拒絕,純然是因為我們將「追求安全,決不妥協」的核心價值,注入生命之中在貫徹之故啊。
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但由於民間謠言四起說這根本是貪心公主想去東京過夜的陰謀(喔,誰不想去東京過夜),為了闢謠自清,工會也提出易超時航班帶兩組人上機工作,一組服勤去程,一組服勤回程,不過夜,這樣的替代方案,不過還是沒有和公司達成協議。
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台灣的經濟再差,世界競爭力排名還算是名列前茅,但勞權意識卻低落地如同第三世界。要不是我切身遭遇到這次罷工經驗,我其實也沒有機會去思考,在這樣政經高度發展的國度(我們同婚立法了耶),為何會有勞權低落這樣如同平行時空般的問題存在。之前我曾去旁聽的一場勞資協商會議上,討論易超時航班時,工會提出了光是一百零六、一百零七年度,我的公司航班超時就被檢舉超過一百二十次,罰鍰累計一百五十萬。
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我回頭去算了一下,光是令空服員在東京過夜,一年成本算下來,我的公司至少要支出一千五百萬。兩相權衡下,若你是雇主,是我的公司的老闆,兩年罰一百五十萬,讓員工冒著超時工作的風險;和一年至少支出一千五百萬,只為了不讓員工超時工作,你怎麼選?
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在我們開始罷工後,我和我的姐姐討論過一個雇主困境。
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我的姐姐最近自己開了公司,當了老闆,小心翼翼地走在創業維艱的道路上。她說:「我要是發現一個員工的能力很好,會很想將他留下來,他有自主的想法,讓我不用操心那麼多,我也信任他可以把事情做得很好。但我同時也知道,一個能力好的人,沒有給他比較多的薪水,絕對留不住。這時候我會突然寧願選能力比較差,但我不用付出那麼多,而且好使喚沒有自己想法的人。因為利潤就是這樣,我要給別人還是給自己,這是我每天都在掙扎的問題。」
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我沒有當過老闆,很難設身處地去換位思考到姐姐的層面。我知道她選擇在這個時候和我說這樣的話,是在軟著暗示我,大有大的難處。
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和姐姐聊完後,我依舊去罷工,白天頂著烈日,夜晚傍著焦土。或許是因為時間的侵蝕,或許是因為外界的風向,我逐漸變得焦躁不安。我的胸中依舊哽著一口不願放棄的氣,可除了這口氣外,我什麼也吃不下,我因此削瘦到了夢寐以求的狀態,卻也快樂不起來。
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一日,我輪完罷工棚靜坐的班後走至客運站欲搭車回台北,罷工期間我們算是暫時與雇主解除了勞雇關係,當然不得搭公司交通車。不過,我還是認為我的公司有些過於斤斤計較的是,有同事在罷工開始後由洛杉磯飛回台北,一落地,機門開,公司派來的人就和才剛飛完一趟長班的她們說:「有工會的人在機場要收參與罷工的人的證件,證件被收了就要自己想辦法從機場搭車回家,不參與罷工的人才能搭公司派的交通車。」
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那趟洛杉磯的座艙長很保護學妹,回道:「我的組員才剛飛回來,大家都很累,怎麼有辦法馬上做決定?而且回來後每個人也都還有兩天的休假可以考慮要不要參與罷工。怎麼能不讓大家先進公司換衣服、拿行李?」
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來人才解釋自己只是代為傳達公司的意思,沒有要大家當場決定。後來那一路她們壓根沒在機場遇見半個工會的人,這才搭上了公司的車子回來。
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工會的人有去機場倒是僅有一次。罷工剛開始的時候,機場的地勤人員因為航班大亂承受著旅客的壓力。有罷工空服員心生不捨發起去機場代替地勤與旅客道歉的活動,工會幹部要大家守在罷工棚就好,她們去。她們揹著請不要責怪地勤的牌子到機場,接著被批為作秀。
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這世上黑的與白的似乎已經沒個準則,在這整個罷工的故事裡,我時常看見黑的變成白的,白的變成黑的。或許是我的眼睛和人長得不一樣吧,我陷入了一種哲學式的,你看見的黑不是我看見的黑,你眼裡的白不是我眼裡的白的考驗。我看見許多人連想都沒想便全盤接受了眼前的一切,指鹿為馬,我突然發覺這樣的生活好輕鬆,比罷工輕鬆許多,那麼我坐在這裡幹嘛?我又陷入了思考。
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我在走去客運站的路上,站在馬路的一側等紅燈時,遠遠看見另一頭站著一位公司的學姐。即便是罷工期間,學姐依舊謹守公司規範的儀禮,梳著漂亮而一絲不苟的法式包頭,身穿及膝而式樣優雅的A字長裙,及不露趾的低跟包鞋。
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我戴著棒球帽,視線被遮蔽,只要頭不轉向她的方向,可以完全假裝沒看見,何況這是公司外、是罷工期間。而且,我是有點怕學姐的。
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紅燈結束後,我還是舉起了右手,向著學姐揮了揮。學姐笑容燦然與我回打了招呼,我突然胸中那口氣鬆動了些,明白了自己的倔強從何而來。學姐是出了名地對工作要求的學姐,若以姐姐的話說,就是那種會讓老闆想要留下來的而陷入放利兩難的好員工。
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若說公義的本質是資源的分配,那麼一個人情操的高低、一個社會文明的程度,乃至於企業明明是為了營利而生,人卻會在意資本獲得的手段、在意企業有無盡到社會責任回饋世間,是因為我們對於至善還有期待。所以我們不會暴虐地修一條法要比爾蓋茲必須將自己資產的百分之九十拿出來發給窮人,卻會期望他是情願拿出自己資產的百分之九十去做對的事的人。
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我估摸學姐行來的路徑,她應該是住在公司附近步行而來。住公司附近、對工作有十分地要求,我們自然會將她連結到是「公司派」。畢竟此人的大半青春、花漾年華、生活樣貌、談吐思想,該已經和這間公司連成像呼吸與空氣的共生關係,她該是最愛也最怕的人。
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我想像她的前半生,年輕可愛的時候,有人豔羨似地輕輕簇擁著她,道:「妳該去考空姐。」在對世界的渠道相對封閉的早些年代,她也曾懷疑是否這樣的自己就能站上國際的舞台。然而嘴上硬著說只是試一試、最終面試階段卻緊張到手心不止地冒汗,她才發覺自己很在意。熬過了訓練的嚴謹、熬過了職場的高壓、熬過了身體一再地生病、甚至熬過了公司生意不好隨時可能被不當裁員的恐懼,她用驚人的韌性撐住了自己、也撐住了經驗的傳遞。
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聽說有新來的學妹稱她作「鬼」,她有些無奈笑笑,不知該怨還是該氣,心說妳們不知道我對妳們有多網開一面。然後她不禁想自己為什麼撐到了現在,還買了房子背了貸款,肩上多駝了一座雷峰塔似的令自己再難離開。而後她才領悟原來自己為人有些老派,她不想做太跳躍、創意的、沒有規範的事,這不是古板,而是匠人一樣,在日復一日近似於無的微小修正上釀出精誠所至金石為開。
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她虔誠地割下一塊心頭肉獻祭予一份職業,她想通了以後愈發敬重自己,然後像是鞠躬盡瘁最後一次做好四菜一湯就欲離婚的家庭主婦,悉心妝點自己,昂首罷工去。
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然後我收到一位相熟的機長私訊,說這罷工期間上班,空服員配置無法按照正常,大多都是較資淺的學妹,他從駕駛艙打電話到後頭,沒人聽得懂他講什麼。
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「這樣怎麼能做好前後艙良好溝通?」他嗔道。
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「你只是氣沒人給你打咖啡吧。」我揶揄。
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雖是這樣的玩笑話,我突地就明白他隱隱然的憂心不假,還有他暗藏在話語中的鼓勵:妳們不是免洗筷。
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如果是世間人對我們存有這樣的誤解,摸摸鼻子也就算了;但若說是家的一個地方還存有這種心思,有家也歸不得。
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最後來說管理組:開放工會幹部參與人評會等懲處機制,並有發言權及表決權;開放勞工代表參與公司治理(就是之前被幹到爆的勞工董事);給予工會理監事、會員代表會務公假;變更空服員現有勞動條件與工作規則應先與本會協商。
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看到這裡會發現,其實訴求中最多的是關於我的公司的管理方法的改變。除了勞工代表參與公司治理這項爭議太大,且要尊重我的公司身為一完全的民營企業,關起門來的確可以「朕不給的,你不能要」。其他的,都是期待工會得以壯大制衡我的公司對空服員的一種有些羞辱的態度。
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有些人說這是工會的陰謀,是想煽動空服員而後爭權奪利的手段,我自己聽了都有些害怕。
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但這幾日看著都是自己空服員的工會幹部們,有的要帶活動鞏固靜坐空服員焦躁的心、有的整理物資跑腿訂便當、有的不惜冒著生命危險站上高台要站到公司願意出來協商(不過被我們自己空服員們勸退了,太危險,不要這麼賣命)、有的製作懶人包開記者會發新聞稿⋯⋯。許多人譏笑我們毫無謀略可言、反應太慢、看不懂在幹嘛,我才明白這樣的諷刺反而是一種激賞,面對龐大的資方,我們手無寸鐵,只能盡量有樣學樣、有什麼做什麼,杜甫石壕吏中的老嫗般,請從吏夜歸,猶得備晨炊。
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若說這是一場陰謀,我只能說這個陰謀太累太深太龐大,不如回去洗洗睡了隔天向公司報到復飛來得輕鬆愉快。
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然後我突然發覺那些對我們憤怒的地勤、內勤人員、一開始就沒有加入工會的、罷工行動真的開始了回去上班的,其實是看得最清明的人。他們實在明白這個世間運作的現實,知道不要雞蛋碰石頭,知道要偎在高牆下才能獲得最好的保護。
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我不知道是不是因為空服員是只有女生的部門的緣故,所以在這間父權的公司裡備受歧視。當人嘲笑說我們怎麼可以拿血尿蕁麻疹內分泌失調尿道炎中耳炎爆痘爛臉失眠肌腱炎⋯⋯當作抗爭的理由的時候,我想問,若是身體都出狀況了還不能要求改變,那麼要到什麼程度才能要求改變?
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我很幸運,是個身體還算承受得住這份工作的人,除了剛進公司第二年,曾有一度內分泌失調,耳下至下顎處密密麻麻長滿了不是痘子但紅紅一點一點的東西;還有因為時常感冒上班,每次都會引發中耳炎,即便感冒好了,半個月一邊的耳朵都會像浸泡在水裡一般聽不真切。
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或許有人會問,生病為什麼不好好休息,硬要上班身體搞壞要怪誰?
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如果生病請假很難呢?
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如果只是感冒都要到公司核可的大型醫院去拿「診斷證明」,想多休兩天還要拜託醫生寫「宜休養幾日」,連生理假都要到醫院拿證明,被公司刁難一次、再被醫生嘲諷開這種證明前所未聞一次(不過這不怪醫生,因為這種證明大概放眼全台只有我的公司需要而已),有時即便身體不堪負荷,也會想說算了乾脆去上班好了。
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這種制度設計明顯就是在最大化壓榨空服員的單位產值,我必須承認,管理階層真是聰明絕頂。
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一次,我去公司上班的路上出車禍,所幸只是皮肉傷,沒有傷及筋骨,但兩腳膝蓋大面積擦傷,需要每天換藥包紮,傷口結痂走路會痛,當然也不能穿絲襪。我問醫生我多久能好,醫生說每個人復原時間不一定,我說我必須開證明需要休息多久,不然公司不會讓我請假。
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「我要是可以斷言妳多久能好,我就是神醫了,我不能開這種證明。」醫生道。
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「那至少給我一個至少的時間,如果還沒好,我再來醫院開,拜託。」我懇求。
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我當時兩腳膝蓋都包得像要去打排球穿護膝一樣,就算醫生不給開證明,相信有眼睛的人都會要我休息先別上班了。不過我的公司奇妙之處就在於,即便是外觀上明顯的傷病,只要沒有按照請假規定,還是麻煩去服勤。有同事去拔智齒不慎臉腫了兩倍大,不好意思要請假就是要證明;有同事眼睛發炎化不了眼妝 ,那妳可以擦口紅;有同事失聲開不了口,那妳不要講話就好⋯⋯。
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醫生後來開給我兩個禮拜。
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兩個禮拜後,我可以緩緩走路,但傷口還沒痊癒,還包著紗布,公司評估了一下,說妳還不能上機就來公司打雜。我被分配到了替空服員辦證件的部門,護照、台胞證、美國簽證。裡頭的課員們都對我很好,知道我不是專業的只會讓我做些簡單的文書處理、抄寫影印,令我從一開始的有些怨恨(為什麼不讓我在家好好休息),到後來也因為這些溫暖的內勤同事,最終傷癒要回去空中時還有些不捨。
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還有一位學姐,工作以來一天假都不請,連母親病危都極力調班換班並懇求公司核放特休整整全勤了九年(她說謝謝很多同事願意幫忙)。後來母親過世,她卻累壞了身體而不自知。一日,穿戴好制服裝備,突然一陣尿意,進簡報室前先去了趟廁所,低頭一看,卻在胯間望見一片血紅,這才發現,原來自己血尿了。
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觸目驚心的身體警訊,令她終於肯面對健康的臨界點,不再勉強自己。但已經將近報到時間了,公司規定的請假時間是報到前三個小時,她向公司請示自己的狀況,事出突然,能不能臨時請病假回家休息?
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公司只是說,用一貫的制式的口吻,請病假可以,但不在規定的時間內,後續會有懲處,自行負責。
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學姐捨不得自己的全勤紀錄、也不願就這樣被記了一個警告還是申誡的明明自己沒有犯錯,回家後,她想起了現在尚在母親百日,而自己還有一天喪假可以用,便致電公司:「那我改請喪假可不可以?我不是請假慣犯,這次真的是突發狀況,請看看我的請假紀錄。」學姐哀求道。
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「妳是血尿怎麼可以請喪假?」接電話的那頭說,還是一貫的制式的語言。
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後來她被公司約談,要她寫報告,請她「成熟理性」地面對。並告訴她,念在她九年全勤的紀錄,公司能將那天病假視為一般病假,免除請假不合規定的懲處,不過還是不能改為喪假。
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令人有些羞憤的約談結束後,她搭電梯,下樓。等電梯時,一位聽見她與主管對話的內勤同事過來,悄悄在她耳邊說:「學姐,講白一點,喪假已經是大老二了,他們怎麽還敢這樣。」
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這樣的請假方式施行良久,才終於在近幾年改為較為人性的方式,只要一般診所的收據即可請假(感謝老天)。
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罷工第一天,看著許多內勤同事衝出來對著我們賤人、婊子地叫罵,我覺得難過,也十分不解(不過幸好沒有看到我認識的內勤同事),甚至有人成立了網路社團,裡頭充滿各種針對空服員酸澀不堪的言語。令我發覺平行時空的問題不只存在台灣社會,也存在於我的公司之中。
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有位身為專業經理人的朋友提醒我,製造對立也是一種管理手段。
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部門之間的猜疑與嫉恨,能夠形成一種強大的互相監督的網路,管理者不需另外成立監控部門,就能以相當低廉的成本收割對立之後互揭瘡疤的果實。管理者也能收束權力,形成至高無上的權威。好處絕不全體適用,因為賜給誰什麼都是恩典,因為總要令人有點眼紅;責罰就要連坐,令系統中的人人心惶惶,永遠懸在一種驚懼之上。
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我很想輕蔑地回朋友說你小說看太多,可有時發現的一點小線索又會令我不禁往這個方向四面楚歌。
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我曾在上述社團看見一則地勤同仁的留言,大意是在說公司已經對空服員很好了,什麼都給我們,我們憑什麼罷工。地勤同仁舉例空服員的鞋子襪子都由公司提供、下班有專派的公司交通車可以坐,而他們即便和我們穿著同樣的制服,鞋襪卻沒有補助,從機場下班時還要碰碰運氣搭空服員的便車。
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看完留言我相當詫異,想起自己從前還覺得公司對待地勤更優渥,戴眼鏡、戴牙套都不用像空服員一樣需經過申請審查,而明明我們是穿著同一套制服工作。
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那社團裡還有許多公司同仁放上自己參加各種公司餐會、慶祝會、運動會的照片。我看著螢幕裡的喧騰熱鬧,總有一種冷宮妃子聽見宮裡慶典的絲竹鑼鼓之聲,自己卻清冷寂寞不在行列的幽微心酸。一般空服員若是被邀請去參加公司的這種聚會,只有一種可能,就是去端盤子當服務生。
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想來自己工作近九年,的確沒有參加過我的公司的什麼活動。還記得剛上線的時候,知道公司有運動會,還興奮地有些期待空服部門會不會派人去參加呢,我喜歡運動,也喜歡在遊戲中有點競爭的感覺。然而空服員僅是一人發放一件大會T恤,就算是在這個活動中盡了本分。
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我們代表公司飛向世界,回來後,進公司換便服、放行李,就算是銀貨兩訖。接到公司電話不是抓飛,就是有客訴請儘速回覆。不飛的日子進入公司,不是約談,就是訓練考試。
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前陣子我的公司終於有首批空服員做滿二十五年退休,這在空服員間是不得了的大事。然而在偌大的整個企業,也是人微言輕如一縷青煙。
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看著許多人如此愛戀我的公司的言論,我很嫉妒,因為他們定是在我們不知道的地方備受了公司的珍惜才能那樣振振有詞。然而他們又覺得公司早已把什麼都給我們了、然而一個內勤實習生可以大言不慚要我們回家做媽媽的寶貝(同事表示:我不單是我媽的寶貝,還是我阿嬤的金孫)⋯⋯,我太混亂了。
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社會的陰鷙令我只能牽緊身邊的同事,只有她們眼裡還留有一片澄澈,無關黑白,就是單純的信念。
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日前,我的公司一位高層在媒體面前哭訴,沒有工作不辛苦,這些空服員好歹都是大學生了,怎麼還不懂呢。我們這些大學生,再怎麼愚蠢,也弄了一場曠日持久的罷工行動,充分顯示我們的自我進步能力非常強啊,這樣的員工才能令公司Proud到全世界不是嗎(開玩笑)。
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而若高層真正知道我們的工作辛苦,為何沒從想過要如何改善勞動條件,而是在外狂打我們是幸福企業這樣背道而馳的話?
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乾脆一點如另一位高層直接承認就是威權及專制不也很好嗎(開玩笑)。
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然後他又說,感謝所有願意和他站在一起的地勤、內勤人員。看到此,我希望高層是真正地珍惜這些願意為你加班的員工。至少,鞋子、襪子、交通車,不要虧待了人家。
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這幾日在罷工棚,有相熟的學妹心中很有疑慮來找我聊聊。她說,她怕再不回去,會被公司清算。
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我深呼吸一口氣,想了想我的公司對待空服員一慣的作風、想了想罷工至今公司的態度,我真的沒辦法有自信地告訴她,不會的,在法律的保障下,如果是公司要懲罰我們甚至開除我們,他們才違法。
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我只能語帶保留地說:「如果妳回去了,留在這個棚子裡的人越少,那麼最後公司要想辦法處理我們的時候,他們所能用的手段就越狠,因為罷工的人數越少,他們越好開刀。如果棚子裡的人夠多,公司要動手段就越難,人數越多,本來就越難處理。」
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沒想到罷工都開始了,我們都還恐懼地感到打壓渺小。我們要促成這場罷工有多麼地困難,尤其在台灣這個工會組成率不到10%的國度、在我的公司這樣業界出名高壓管理的地方。我失眠了好幾個夜晚,就算不是輪夜班要睡在罷工棚的日子,躺著床吹著冷氣都心有餘悸。
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而在罷工後的協商當中,我的公司連最基本的「不秋後算帳決議」,至少恢復員工福利票的權益都不是很願意。要知道,這張員工福利票在航空公司的員工之間暱稱為「乞丐票」,因為機上有空位才能搭,不如一般人想像的那樣輕鬆愉快。
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機上空位沒賣出去,以便宜價格賣給員工這樣的事都猶豫再三,我的公司在罷工開始後放出的各式狀似溫馨的「回家吧」宣言,不禁令人腦內顛覆。或許「回家吧」只是做給媒體看。
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這十幾日在罷工棚中,看著許多學姐妹自發性地擔負起很多事,收三寶、收垃圾⋯⋯,甚至是辦理領回三寶的程序,大家時常習慣性地使用原先在機上會用的語言,交接組、cross check、safety check、go that way go that door⋯⋯,好像我們都還在機上工作一樣,令人感到可愛之餘,也總默默令我鼻酸,大家天真地還奉這份工作為圭臬,不願忘了所有曾經烙印在身上的一切訓練,期望就算外人無解,這樣激烈的舉動也能喚起我的公司重視。
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真正認識我的人都知道我向來只把工作當工作,是糊口的工具,說是我的天職什麼的太唬爛。可是罷工開始以來,我卻反常地想回去、想再和這些學姐妹們一起做我們慣常做的那些呼吸成自然,但還是會令人煩躁的事(我們工作真的很累啊)。 我感覺我身邊的這些人的心意好珍貴,在獲得我的公司真正的回應重視之後,我們才能不把自己當奴才,不是因為害怕而磨損自己的身心,是因為被珍視而願意貢獻自己的一切;不是斯德哥爾摩症候群,是完整而成熟的尊重自己。
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在之前的文章中,因為放了我的公司與世界上最豪奢航空公司的薪資比較而被許多人提醒,應該注意兩地工作條件及物價水平。
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在此補充中東航空公司的飛行狀況:中東由於地理環境炎熱,為了避暑,許多飛機的起降時間都在早上八到十點或是凌晨一到三點的極早或極晚、一杯珍奶加一份炒飯或煎餅就要台幣八百、月飛時往往破百甚至到一百六十小時、和我們一樣快閃美澳24小時,及一人拉一台如果放滿可以重達百斤的餐車⋯⋯,寫到這裡我愈發慶幸自己身在一個可以合法罷工的地方,因為在中東組工會是犯法的行為,可以被抓去牢裡關(謝謝中東航空姐的資訊提供)。
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但必須注意的誤會是,我們從沒要和世界上最豪奢航公司一樣的薪水(當然如果有也很好啊),放出比較圖是希望這樣的落差可以提點眾人,為什麼我們上不去?為什麼台灣的勞資環境一直停滯不前?為什麼能合法組工會卻組成率這麼低?
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我們訴求中雖然喊出了日支費一百五的價碼,卻從來沒有要好要滿(讓我破個三位數一百零五也是可以嘛),在我的公司高層後來向工會提出的新六大方案中,關於薪資的部分大打折扣,工會會員們含著眼淚也是同意,只能說,沒見過罷這麼久還這麼溫柔的罷工。
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新的文章附圖為我的公司學妹與一位年資相當友航同仁的薪資單。
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學妹當月飛時為90.43小時,友航同仁為88.58小時。兩人年資都是五年,但我的公司學妹已經是商務艙空服員的職位,而友航同仁因為友航人力結構較穩定,所以還是一般空服員的職位。
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學妹的月薪為77,513;友航同仁為94,817。我用計算機算了一下若我們的日支費提升到每小時一百五十元,的確是接近到友航的程度了。而我的公司提出的新六大方案,與薪資有關的只有每趟短班含過夜班加飛安獎金三百元;長班每趟加飛安獎金五百元。而我們答應了。
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我們真的是貪婪的公主嗎?
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只能說,你必須先有承受如此心理壓力的勇氣,才有資格說我們貪婪。
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罷工結束了,我心目中最高貴的公主們,明天我們機上見。
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