本を読む目的は、何でしょう？
人によっていろいろとあるでしょうが、私の場合は、「行動」を変えることです。「行動」が変わると、その先に「自己成長」があります。
「すごい勉強になった！」と思っても、何も行動が変わっていないとすると、それはあなたの自己成長に全く関与していない。つまり、「自己満足読書」ということです。
私にとって、自分の「行動」を変えてくれる本が、「良い本です」。自分の行動を大きく変えてくれる「大当たり本」を、私は「ホームラン本」と呼んでいます。
最近読んだ本に、「場外ホームラン本」がありました。
ホームラン本の中でも、極上のホームラン本です。
『「いつものパン」があなたを殺す』。
この本を読んだのは、４月上旬、それから1ヶ月経ちますが、今日までに４キロ痩せました。
糖質、特に小麦粉に含まれるグルテンの恐ろしさが、繰り返し書かれています。これを読むと、グルテンの入ったものが、食べられなくなるのです。グルテン入りの食品とは、具体的には、パン、パスタ、うどん、ピザなどです。
最近、結構、厳しい糖質制限食をやっているわけですが、それをやろうと思ったキッカケは、この『「いつものパン」があなたを殺す』を読んだからです。
炭水化物や糖質は、健康に悪い。糖質制限に関する本たくさん出ていますが、糖質の「脳」への悪影響について、科学的根拠を十分に示して書かれた、世界で初めての本です。
結論から言いますと、
「アルツハイマー病やうつ病など、多くの脳やメンタルの疾患は、小麦に含まれるグルテンが引き起こす継続的な脳の炎症である」と、著者は明言しています。
最初、読み始めた頃は、「そこまで言えるのか？」と半信半疑でしたが、後半になると、多くの説得力のあるデータから、糖質過剰摂取とメンタル疾患の関連性は疑いない、と確信するに至ります。
実際、精神科の患者さんは、カップラーメンや菓子パンが大好きで、明らかに偏食傾向があるのは、以前から感じていたところです。
この手の医学健康本。科学者の書く本は、科学的論文の引用が中心でも臨床の実例がない。臨床医の書く本は、自分の患者さんの治療例が中心で、科学的根拠に乏しいという傾向があります。
神経内科で栄養学の研究者である著者によって書かれた本書は、その辺のバランスが非常によく、実際の患者さんがグルテン制限だけで治った実例を示しながら、科学的根拠となる論文を多数示しています。
こうした知識は一人でも多くの人知っていただきたいてのすが、特に以下の人たちに、強くお勧めします。
ダイエットしたい人
アルツハイマー病になりたくない人
糖質制限に懐疑的な人
メンタル疾患の本人、家族
今まで、糖質制限食は何度か挑戦し、いずれも失敗してきましたが、この本を読んでから意識が変わりました。その意味でも、本当に自分の「行動」が変わった一冊であり、心から感謝したい一冊でもあります。
『「いつものパン」があなたを殺す: 脳を一生、老化させない食事』(デイビッド パールマター著、三笠書房)
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